電気設計のリビジョン管理:いつでも最新のドキュメントを参照するには
EPLANグローバルブログの日本語訳です。一部抜粋、わかりやすい日本語に言い換え、追記などを行っています。完全版(英語)はこちらのリンクからご確認ください。
The benefit of good revision management
電気設計から始まり、製作、機械納入、既存の設備を変更・拡張など、設備の設計製造工程でドキュメントの作成が行われます。しかしこのドキュメントの作成は、重要にもかかわらず、多忙な環境では見落とされたり、忘れられたりすることがよくあります。そんな時、リビジョン管理が活躍します。
作業に関わる人達は、それぞれ異なる時間やタイミングでドキュメントを作成しています。すべての変更を正しく記載することは重要です。しかし実際には、とんでもなく複雑な作業があったりします。図面上のコメントが明確ではなかったり、どれが一番新しいものかわからなかったり。古いバージョンで作業をしてしまったり、小さな変更点が伝え漏れてしまったり。そして、小さなミスが、大きなミスを招いてしまうのです。
設計者の方はドキュメントの小さな間違いが何を引き起こすか、容易に想像できると思います。そしてもしかしたら、経験があるかもしれません。
不正確なドキュメントは、誤った見積もり、余計なダウンタイム、納期遅延、誤発注、追加コストの発生につながります。ドキュメントを常に信頼できるものにするために、リビジョン管理を明確にしておくことが重要です。以下では、社内で適切なリビジョン管理を設定する方法をご紹介します。
優れたリビジョン管理に重要なことは2つです。
明確なプロセス
適切なツール
ISO 82045のように、文書の構造化とトレーサビリティのガイドラインを示す規格もあります。
正しいドキュメントには、明確なプロセスが不可欠です。このプロセスとは、変更が行われたときにどのようなステップを踏む必要があるかを決めておきます。このプロセスは、リビジョン管理を標準化するための最初の、最も重要なステップです。したがって、このプロセスを考案し、以下のようなことを記録するために時間をかけるようにしてください。
変更をどのように管理しているか?
誰が変更箇所を持っているか?
どのようにフィードバックが返ってきて、誰が調整を行うのか?
ドキュメントを変更している間に、他の変更が行われた場合はどうなるのか?
明確に定義されたプロセスがあれば、これらの問題やその他の問題をすべて解決することができます。
ドキュメントに関する合意も必要です。
例えば、概要を把握するために、ドキュメントの各ページにラベル(バージョンA、バージョンB...など)と日付を記載しておくのが賢明です。また、プロジェクトやプロジェクト番号を使って作業するのも便利です。
適切なツールの使用は、リビジョン管理に大いに役立ちます。簡単にプロジェクトの関係者と共同作業ができ、情報を共有し、コメントを残し、変更を記録・管理する機能があるツールが理想的です。また、使用している他のシステムとの統合も考える必要があります。
例えば電気設計CAD EPLAN Electric P8や制御盤内レイアウト設計の EPLAN Pro Panelの機能「リビジョン管理」では、追加、変更、削除、レポートの新規など、変更が行われた箇所を回路図にパッと見てわかるようグラフィカル表示をします。図枠にも表示し、リビジョン概要のレポート作成も自動で行います。
新旧図面の変更箇所を比較しての作業が可能です。
リビジョン管理の説明動画 Tips & Tricks - Revision Control|EPLAN UK You Tube(英語)
動画の概要
0:34 最初のリビジョン作成|プロジェクト名Issue A Project RevにIssue A表記
2:02 新しいリビジョン作成|プロジェクト名Issue B プロジェクトに変更
3:03 変更箇所にはマークがつきます
4:13 変更理由を記入すると図枠にPage Revisionが追加
クラウド環境のアプリケーションであるEPLAN CloudのEPLAN eVIEWがあります。回路図が完成したら、設計者はそれをEPLAN eVIEWにアップロードし、関係者全員にドキュメントのアクセス権を与えることができます。
なにか、変更や調整を図面に残したい場合は、eVIEWにアップロードされた図面に直接コメントや変更を追加します。設計者は、その通知を受けて設計を更新、再度新しいバージョンをアップロードすることで、誰もが常に最新のバージョンのドキュメントにアクセスできます。
参考:メンテナンスで変更発生! タブレットで図面の訂正依頼! 常にアップデートされた図面を管理|EPLAN You Tube
EPLAN eVIEWのようなツールを使ってクラウド環境でコラボレーションすることには、いくつかの利点があります。
リビジョン管理のプロセスを明確にし、ツールを活用することで今以上にプロセスがスムーズになります。
機械やインストールのドキュメントが常に最新の状態になっているので、ドキュメントに記載されていた不正確な情報が引き起こしていた、小さなミスは削減されます。どれが最新バージョンのドキュメントなのか探す時間も不要であり、間違えて印刷してシュレッダーにかけるという時間や資源の無駄もなくなります。
古いドキュメントを使用したため引き起こされる誤発注も防止できます。
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