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トレンド紹介「第2回 VRで新たな次元へ」 - 世界標準の電気設計CAD EPLANブログ

作成者: Admin|Jun 20, 2018 4:00:00 AM

第1回目ではARとVRがどのように産業界で活用されているのかをお話ししました。第2回目では具体的にどのように活用できるのかをお話ししていきます。

仮想・拡張現実の利用の可能性と、必要な設備

AutodeskのビジュアライゼーションスペシャリストであるSimon Nagel氏が、企業内での仮想・拡張現実の利用の可能性と、どのような種類の設備が必要かについて語っています。

Q:仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を使い始める会社が増え続けています。現時点でこのテクノロジーはどの分野で利用するのが正しいのでしょうか。

Simon Nagel氏:トレーニング、サービス、またはサポートなど、可能性の範囲はきわめて広いと言えます。しかし、VRやARのソリューションが本当にそのポテンシャルを生かせるのは、製品の開発と設計の分野です。
仮想現実においてデザインし、モデル化したものはとてもリアルで、仮想の世界でありながらも自然に、直感的に扱うことができます。
開発者は、自らのデザインに直接手を加えることができます。そして、モデルは完全にデジタルであることから、変更や調整が直接でき、その具体的な成果をバーチャルスペースですぐに確認することができます。

Q:これらの革新的なテクノロジーから企業が得られる利益は何でしょうか。

Nagel氏:企業は特に、製品開発と設計における時間と費用を節約できます。バーチャルスペースでのシンプルな操作とリアルな表現により、これらの複雑なテクノロジーを扱うハードルは非常に低いものとなっています。
VRとARテクノロジーは、場所にしばられない共同作業も推進し、結果としてチームの生産性を大幅に高めます。会社の複数の拠点に散らばったチームでも、新デザインを話し合うために世界中を飛び回る必要はもうありません。
同様の利益はメンテナンスの分野でも考えられます。該当するVRまたはARのアプリの助けがあれば、技術者はバーチャルで対応可能な同僚、またはメーカーのサービス担当者から直接、必要に応じてサポートを得られます。これによりメンテナンスの質は向上し、故障のリスクが低減します。

Q:VRまたはARソリューションの実装のために、企業は何が必要ですか。

Nagel氏:まず、VRとARアプリに求められるハードウェアが必要です。没入型アーキテクチャビジュアライゼーション用のAutodesk Revit Live、3Dでのモデリング、アニメーション、ビジュアライゼーション用の3ds Max、3Dビジュアライゼーションとバーチャルプロトタイピング用のVREDなどがそれです。  原則的に、大多数の企業はVRとARソリューションで業務プロセスを最適化できます。

話:Simon Nagel, Autodeskのビジュアライゼーションスペシャリスト www.autodesk.com

もう難解な説明書や図面はいらない

仮想現実(VR)テクノロジーの開発はまだ始まったばかり。しかし、先見の明のある企業は、そこにチャンスをいち早く見出ています。RHI Magnesitaもそんな企業のひとつです。

複雑な機械とその内部プロセスを理解したいと思うなら、難解な説明書や図面と格闘したり、シンプルな動画を作ったりしなければなりません。オーストラリアに拠点を置くRHI Magnesitaではそうではありません。世界をリードする耐火物(鉄、ガラスなどの各種窯炉の内張りに使用される材料)の製造会社は、仮想現実の多種多様な可能性を利用して、製品の紹介を行っています。

お客様は、たとえばコンバータの中を、あたかも美術館を見学するようにバーチャルに見て回り、構造や使用する材料から、展開した製品の機能や化学反応を経て、最終成果まで、すべての作業段階を詳細に確認できます。これはすべて、些細なところまで細かく、原寸大でリアルタイムに - ほとんどまるで実際に経験しているかのように、バーチャルに表現されます。

「このVRアプリによって、クライアントは当社の製品が正確にどのように動くのかが、深く、かつ現実的に見て分かるのです」Helmut Haider氏(RHI Magnesita プロジェクトディレクター兼耐火物デザインのチームマネージャー)
www.rhimagnesita.com

Rittalイノベーションセンター内のAR

ドイツのハイガーにあるRittalイノベーションセンターで、EPLAN Smart Wiringの未来の姿を垣間見ることができます。

拡張現実のゴーグルを使って、ユーザーはバーチャルインストラクションの方法により、配線のサポートを受け、オーバーレイとして終端点と情報が見られます。すべてはバーチャルプロトタイプとの組み合わせです。

参考動画:

EPLAN機関誌:software 4 efficiency

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最新号:software 4 efficiency 2018-01(英語版)

※この記事は日本のお客様向けに、雑誌記事を一部抜粋、要約して日本語に翻訳してお届けしています。