デジタルツインのDNA

デジタルツインは、現在のテクノロジーにおけるホットなトレンドです。デジタルツインは、企業のイノベーションを加速し生産性を向上させます。

総額7800万ユーロ以上の経済力

科学による双子に関する研究は、約150年間にわたります。デジタルツインの研究は、これに比較するとまだヨチヨチ歩きの段階です。それにも関わらず、産業革命はデジタルツインの中にその可能性を見つけ、それをインダストリー4.0のための重要な指針として誇らかに世に知らせています。

市場調査会社であるIDCのFutureScape 2018によると、たった2年間で、世界の上位2000社の大企業は製品革新と組織的生産性の向上させるため、デジタルツインのデータを活用することになるだろう、ということです。これに伴う生産性の向上は最大25パーセントと予測しています。

別の市場リサーチ会社であるGartnerも、このデジタルツイン開発をプラスにとらえています。同社は2021年までに、大型企業の半分はこれ使って仕事をしており、最大10パーセントの生産性の向上を実現しているだろう、と予測しています。

「これまでは、価値の創造は現実の世界でのみ行われてきました。デジタルツインは今や、実際の製品と全くデータを、会社が受け取り処理するための基礎となっています。これは、以前は開発チェーンの初期段階にのみ適していたモデルが、今は価値創造の新たな役割を持ち、製品のライフサイクル全体にわたって製品に寄り添う存在となっていることを意味します」Dr Rainer Stark(ベルリン工科大学 産業情報技術学部の学部長、フラウンホーファー研究機構(IPK)バーチャル製品制作のディレクター)

ドイツのデジタル協会Bitkomは、2025年までに製造産業でのデジタルツインは、総額で7800万ユーロ以上の経済力を持つだろう、と推測しています。

スマートエンジニアリング アンド プロダクション 4.0

EPLAN、Rittal、Phoenix Contactは、制御キャビネットの例を使って、開発から試運転、システム操作からメンテナンスまでの製品のライフサイクル全体に寄り添うことができるデジタルツインを作成します。さらにこのデジタルツインは、バッチサイズ1の製造を可能にしなければなりません。

このデジタルツインでは、使用する部品データが仕様情報や型式、さらに詳細な3D外形データを持っていることが重要です。
「eCl@ssが製品を分類し明確に記述するためのコード対応規格として確立された今、コンポーネントメーカーはすでに、このフォーマットでEplan Data Portalに部品データを提供しています。これは簡単に製品情報を参照できるので、大きなメリットを生みます。」Dr Andreas Schreiber氏(Phoenix Contact ビジネス&製品イノベーション担当専務理事)

3Dデータを持った部品データを使用すれば、EPLAN Pro Panelという制御盤内のレイアウト設計を行うソフトウェアを使って、配線、デバイス、ターミナル、ジャンパー、ラベリング、さらにコンポーネントに必要な機械的な処理に関する情報のすべてを構成できます。
構成されたデジタルプロトタイプを生産や製造で活用するためにはどうしたらよいのかを私たちは考えなければいけません。たとえば、デジタルプロトタイプで計算された寸法で、取付けレールは正確な長さに自動で切断されるなど。このステップが自動的に発生することになれば、制御システムと加工機は互いにコミュニケーションをとり、稼働することになります。

((スマートエンジニアリング アンド プロダクション 4.0についての動画(日本語)はこのページの最後でご覧いただけます。))

事例紹介

海で:General Electric

船の修理とメンテナンスは高額です。General Electricは船に摩耗や傷みを測定し、また気象データも取り込めるセンサーを装備したいと考えています。クルーズ船のデジタルツインは、技術者がバーチャルデータを使って、船が港に入る前までに問題を解決できそうな方法をざっと調べることができ、メンテナンスと修理をシンプルなものにするでしょう。

スポーツで:AdidasとSiemens

ファッションにこだわりのある人たちは、自分のトレーニングウエアを素材や色、着心地においてユニークなものにしたいと考えています。自社の顧客の希望に柔軟に対応するために、AdidasとSiemensは、Adidasの生産施設であるSpeedfactoryのデジタルツインを開発しています。これは、将来、製造プロセス全体のシミュレーション、テスト、最適化ができるようにするものです。スポーツ業界は、バッチサイズ1のパイオニアです。

皮膚の下で:Charité Berlin

Charité Berlinは、生物学と情報技術を一つにし、バイオテクノロジー会社であるAlacris Theranosticsと協力して、皮膚がん患者からのがん細胞のデジタルツインを確立させて、様々な薬物治療の効果をテストしようとしています。薬物治療の効果がツインに見られれば、患者に投与します。初期の治療は成功したことがすでに証明されています。

EPLAN機関誌:software 4 efficiency

最新のエンジニアリング情報を掲載しているEPLANの機関誌です。
発行部数はドイツ語版20,000部、英語版5,000部で、世界中のお客様にお届けされています。雑誌はインターネットでもご覧いただけます。

最新号:software 4 efficiency 2018-01(英語版)

※この記事は日本のお客様向けに、雑誌記事を一部抜粋、要約して日本語に翻訳してお届けしています。

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