クラウドに開発データを置いても大丈夫?製造業でも安心な使い方

クラウドサービスが多くの企業で使われていますが、仕様書や設計図などのデータを保存するのは不安だと感じる人もいるでしょう。ここでは、設計者が一般ユーザーとして仕事でクラウドサービスを利用するときの注意点をご紹介します。

クラウドサービスは製造業の開発現場で使っても大丈夫?

製造業でもたくさんのクラウドサービスが使われている

製造業の開発現場でも、データをクラウドサービスに保存する企業が増えています。理由は、ほかの業界でクラウドサービスを利用するときと同じで、以下のことが挙げられます。

  • 自社でITの環境を構築し、運用管理する手間やコストを抑えられる
  • ベンダーにより冗長化やバックアップの用意がされている
  • トラブル発生時にも素早く対応できる

製造業でクラウドを使うことのメリット

製造業の開発現場でクラウドサービスを使うことには、以下の2つのメリットがあります。

  • 災害対策
    自社サーバーにデータを保存している場合、災害時には設備もデータも消失してしまう可能性があります。 しかし、クラウドサービスでは自社とは全く違う場所にサーバーがあり、冗長化やバックアップなどが行われています。それにより、災害時のデータ消失やシステム障害を回避できるため、クラウドサービスは災害対策としても役立つでしょう。
  • データの一元管理
    社内でデータを保存していると、データを個人や特定の場所で専有してしまい、ほかのスタッフが必要なデータを閲覧できない場合があります。 クラウドサービスを使えば、場所を問わずすべてのスタッフが必要なデータを共有することが可能です。

設計データをクラウドに保存しても安全か

製造業の設計現場で使用するデータは、開発中のものや客先企業の機密情報など、外部に漏れてはいけないものばかりです。そのようなデータをクラウドに保存しても大丈夫でしょうか? クラウドサービスはIT環境の専門家によるものです。データの暗号化やバックアップ、サーバーや回線の二重化など、さまざまな対策を行っています。それによって、データ漏洩(ろうえい)を防ぎ、常にデータを最新の状態に維持し、いつでも使える状態にしています。つまり、データの情報の機密性、完全性および可用性を維持しているのです。

クラウドサービスを製造業の開発業務で使うときの注意

データ管理

クラウドサービスを利用すると、ひとつのデータをチーム全員で共有して操作できます。その場合問題になるのはバージョン管理です。

クラウドサービスはデータのバックアップを保存していますが、ひとつのデータを複数の箇所にコピーしているだけです。ファイルを間違って変更または削除した場合、前のバージョンを取り出せるわけではありません。複数人で同時にファイルを操作している場合には、前のバージョンに戻すのが大変です。

確実にファイルのすべてのバージョンを保存しておきたいなら、自分のPC、もしくは社内サーバーにもバックアップや退避データを用意しておきましょう。

データ送信

製造業の開発現場では、図面をはじめボリュームのあるデータが多く、ネットワークでの転送量はかなり大きくなります。設計においては、データを頻繁にやり取りする必要があるので、注意が必要です。 データの送信にかかる時間は、回線の太さやクラウドサービスのサーバーとの距離によって異なります。

障害対策

クラウドサービスがデータを保存していても、クラウドサービスや回線に障害が発生してアクセスできなくなることがあります。クラウドサービスが復旧作業を行っている間、作業を止めるわけにはいきません。 滞りなく開発作業を行うためには、定期的にクラウドサービス以外の場所にバックアップを保存しておきましょう。できれば複数のバックアップを用意しておくと安心です。

ほかにも、適切なユーザー権限の管理やパスワードの管理など、一般的な注意も必要になります。ユーザーの不注意を原因としたクラウドサービスからのデータ漏洩は数多く起こっています。できれば二段階認証やワンタイムパスワードなどのセキュリティーオプションを利用しましょう。

クラウドから使えるEPLAN

EPLANでも、クラウドから使えるサービスが提供されています。

EPLAN Cogineer

EPLAN Cogineer(コージニア)は、回路図作成や流体動力設計を簡単に行うためのEPLANプラットフォームです。デザイナー機能からルールセットを作成すると、それをもとに自動的に回路図を作成します。 クラウドサービスで提供されているので、世界中からライブラリにアクセスでき、遠方の客先とも一瞬でデータを共有することが可能です。 サブスクリプション方式で、使う分だけ料金を払うことができ、気軽にテスト導入することができます。ユーザーの増減も簡単です。

EPLAN Cloud - Store Share View

EPLAN Cloud - Store Share View(ストア シェア ビュー)は、2018年の秋リリース予定のサービスです。このサービスでは、これまでEPLANで作成したデータをEPLANクラウドにアップロードすることが可能です。 それによって、離れた場所や、EPLANがインストールされていないPCからもデータを見てコメントをもらうことができます。インターネットに接続された端末があればどこからでもデータを見ることができるので、開発速度が上がり、業務効率化やペーパーレス化につながります。

なお、EPLAN Cloud - Store Share Viewをインストールしたらすべてのデータが自動的にEPLAN クラウドにアップロードされるわけではありません。基本的にはEPLANのデータは自社サーバーで管理でき、共有したいものだけをアップロードして、相手を選んで共有できます。細かく権限も設定できるので、セキュリティー上も安心です。

これからは日本の設計現場でもクラウドサービスが使われるようになる

クラウドなら蓄積したデータを使うことができ、遠方のスタッフや取引先ともファイルを共有できます。これからは日本でもクラウド利用の開発が増えていくでしょう。この機会に、適切な利用方法を覚えておきましょう。

参考:

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