初めて電気設計職に就いたり、機械設計者が電気設計の業務も兼任するよう指示を受けたりといったように、ある日を境に突然、電気設計に従事することもあるでしょう。そんなとき、電気設計に関する知識を深めるために勉強をしようにもその方法がわからず、苦労する人が多いのではないでしょうか。電気設計の知識を身につけるためには、どのような勉強方法があるのかをまとめます。
電気設計についての勉強方法を考える前に、電気設計に必要な知識とは何かを説明しましょう。電気設計に必要な知識は多岐にわたります。電気CADに関するスキル、図面や回路図の見方、電子回路や部品に関する知識および制御方法などさまざまです。業務内容によってはJIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)、その他の国際規格類も理解しておく必要があります。例えば、制御盤設計では先に述べた知識に加えて制御盤の構造や使われる部品に関してなど、製品特有の知識も必要です。
電気設計にたずさわっていると、資格取得を考える人もいるでしょう。電気設計に関する資格には多数の国家資格があり、代表的な例で電気工事士や電気主任技術者、電気工事施工管理技士があります。資格を取得するためには、当然ながら幅広い知識が必要となります。
勉強すべきことが多い電気設計ですが、実際にどのように勉強を進めればいいのでしょうか? まず考えられる方法は、職場で実際に業務を行いながら学習することです。しかし、処理するべきほかの仕事もあるなかでは限界があります。では、職場以外ではどのように勉強できるでしょう?
参考図書を購入することによる学習があげられます。学びたい分野の本を選ぶことができ、なおかつ購入した本は自分の所有物となるため、いつでも参照することができます。図書はインターネットで検索する、もしくは職場の同僚や先輩、上司などに推薦してもらうといいでしょう。
例として1冊挙げると、「図解入門 よくわかる 最新 電気設備の基本と仕組み」(内野栄吉著、秀和システム)がおすすめです。電気設備の役割と設置方法が、多くの図表を使って解説されています。本体価格は税別で1,800円です。ほかにもインターネットでいろいろな本を検索できますので、まずは探してみるといいでしょう。
セミナーを受講すると、専門家から直接指導を受けられるため、わからないことをその場で質問できるのでおすすめです。有料と思いがちですが、無料のセミナーも開催される場合があります。インターネットで情報検索ができるので、自宅や職場付近で開かれていないか調べてみるといいでしょう。
JISやISOは製品をつくるうえで必要となることが多いため、理解しておくことをおすすめします。本を購入するのもいいですが、JISはインターネットで閲覧が可能です。
しかし、JISもISOも規格類は情報量が膨大で、すべてを理解するのは現実的ではありません。目次を見て自分の業務に関係のある項目を抜粋し、目を通しておきましょう。また、ほかにどのような項目があるのかだけでも目次から確認しておくと、今後役に立つこともあるでしょう。
勉強をする場所として自宅を選択する人が多いでしょう。しかし毎日同じ場所で勉強をしていると集中力が途切れてしまうこともあるので、たまには場所を変えて気分転換をするのもおすすめです。では自宅以外の勉強場所としてはどこがよいでしょう。
まず多くの人が思いつくのが図書館です。電気設計に関する本を含む各種参考文献が所蔵されており、無料で閲覧や借りることもできます。また、館内のパソコンからインターネットで調べものをすることも可能です。
机もあり、常に静かで一定の適切な温度が保たれているので、集中して勉強ができます。
カフェインには適度であれば集中力を高める効果があります。カフェでコーヒーを飲みながら、またはドリンクに加えて食事をとりながら、長時間の勉強も可能です。
図書館と違い、人の話し声や自動ドアの開閉音などの雑音が気になるかもしれません。しかし、適度な音は集中力を高めるといわれていますので、カフェの雑音程度であれば勉強に支障はないと考えられます。
マンガやパソコンといった誘惑が多いため、集中できない人もいるかもしれません。しかし、図書館やカフェと違い、個室でひとりになることができます。なおかつ静かで飲食が可能、温度も適切、パソコンで調べものも可能と、勉強する場所としてのメリットが多いのです。また、プリンターが設置されているので、インターネットで調べたものを印刷することもできます。
学生時代の受験勉強とは違い、電気設計は専門的な分野のためか、勉強方法や参考にするべき資料もわからず、とまどう人も多いかもしれません。まず、この記事を参考に勉強方法を探してみましょう。勉強方法さえわかれば、あとはどれだけ自分が集中できる環境で効率よく勉強できるかになります。
周囲の先輩や同僚に聞いて、自分に合った勉強方法を見つけるのもいいでしょう。設計者としてのキャリアアップのためには、知識の習得が必要です。自身にあった勉強方法を確立しましょう。
参考: