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電気設計における「品質」とは?品質問題の現状と改善方法 - 世界標準の電気設計CAD EPLANブログ

作成者: Admin|Dec 11, 2018 5:00:00 AM

よりよい製品をつくるために、常に品質向上に取り組んでいる企業も多いでしょう。しかし、漠然と品質向上を掲げるだけでは、具体的に何をどうすればよいのかわかりません。実際に、品質向上に取り組んではいるものの、今ひとつ効果が現れないという企業も多いのではないでしょうか。そこで、電気設計における品質問題の現状と改善方法について解説します。

「品質」とは?

製品の品質とは、「製品の性能や機能が、顧客の要求・ニーズをどれだけ満たしているか」の度合いです。例えば機械でいうと、「信頼性」や「安全性」などが品質に関係します。

ただ、一口に「品質」といっても、具体的に何を指すのかは製品の置かれている状況によってさまざまです。特に製品開発の観点から見た場合、製品の品質は「企画品質」「設計品質」「製造品質」「使用品質」の4種類に分けられます。

  • 企画品質

製品開発の企画段階における品質です。市場ニーズを把握し、それをどれだけコンセプトに盛り込むことができるかが企画品質といえます。

  • 設計品質

製品開発の設計段階における品質です。企画された仕様書にもとづき、制約のなかでどれだけ具体的に設計書に落とし込むことができるかが設計品質といえます。

  • 製造品質

製品をつくる製造段階における品質です。どれだけ設計書どおりにつくれるかがポイントとなるでしょう。技術力はもちろん、材料や設備なども関係してきます。

  • 使用品質

開発後の使用段階における品質です。ユーザーが製品を使用する過程での故障のしにくさや安全性などを指します。

品質向上を目指すには?

製品開発において品質向上を目指すためには、「企画段階」「設計段階」「製造段階」のそれぞれで取り組む必要があります。前工程の品質は後工程に影響するため、特に企画段階と設計段階は重要になるでしょう。つまり、企画から設計までを行う設計現場での品質向上は、製品そのものの品質向上に深く関係するのです。しかしながら、実際の設計現場では「品質問題」が山積しています。

設計現場の品質問題の現状

電気設計をはじめとする設計現場では、さまざまな品質問題が発生しています。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 仕様があいまいなために起こる設計のやり直し 
  • 不具合が見つかったことによる手戻り
  • 納期遅れによって被る損失

問題は放置できない

日常的にやり直しや手戻りが発生していると、「またいつものことか」という感覚に陥りがちです。しかし、設計現場におけるこのような問題を放置することはできません。競合他社も問題解決に尽力しているでしょうから、今はよくてもいずれ置いていかれる可能性があります。企業として存続が危うくなる前に手を打つべきでしょう。

電気設計で品質向上に取り組むためには

それでは、このような設計現場の問題を解決し、品質向上に取り組むためにはどうすればよいのかを解説しましょう。

企画段階で取り組むこと

企画段階では、製品コンセプトや設計仕様の「明確化」が必要になります。これらはいわば製品イメージですから、はじめから明確にするのが難しく、抽象的になりがちです。しかし、あいまいなまま設計段階へ移ることこそが、やり直しや手戻りの原因となります。「どのような製品をつくるのか」「ターゲットは誰か」「価格はいくらか」などを企画段階でもできる限り具体化することが大切です。

設計段階で取り組むこと

設計段階では、まず企画された製品仕様を理解するところからはじまります。つくり手である設計者がここを把握していなければ、仕様書どおりに図面をつくることはできません。次に、設計された図面をしっかり検証することも大切です。また、過去にどのような問題が発生したか、その問題を解決するためにはどうすればよいのかも盛り込む必要があります。

お金の問題も

品質向上のためには、どうしても時間を費やす必要があります。それは企業における人件費が増えることを意味します。しかし、経済的に余裕のない設計現場も多く、現状を打破するには業務方法を根本的に変える必要があるでしょう。

システム化や3D CADを導入

業務方法を根本的に変更するということは、設計業務のシステム化や、3D CADを導入するということです。もちろん簡単に決断できることではありませんが、「現状のままではいずれ限界が来る」という企業は、これらの方法を検討していく必要があるでしょう。

品質向上には効率化が欠かせない

現状のまま品質の向上だけを行おうとしても、なかなかうまくいかないものです。品質問題の要因は根深いため、少しやり方を変えるだけでは改善できません。問題を解決し品質の向上を目指すには、根本的に業務方法を改善し、効率化を行う必要があるといえます。

参考: