Time to Market短縮を意識する考え方は製造業を中心に浸透していますが、その実現はまだまだ製造部門が中心となっています。しかし設計部門でもTime to Market短縮の実現に貢献できることは多くあります。設計部門からのTime to Market短縮策についてご紹介します。
Time to Market(TTM)とは、ある製品の発売を企画してから、製品として市場に投入するまでの時間のことを指します。
市場がグローバル化して競争も激化し、国内だけでなく海外の企業もライバルとなっているなかで、自社のシェアを伸ばして利益を上げるためには、製品をできるだけ早く市場に投入する必要があります。そのため、Time to Marketという考え方は欠かせません。 製品を少しでも早く市場に投入すれば、他社との競争で大きく優位に立つことができます。新しいコンセプトの製品であれば、市場にライバル製品が存在せず、価格競争を行う必要がないため、大きな先行者利益を得ることができます。このように、Time to Marketをできるだけ短くすることはとても重要です。
Time to Marketを短くするというと製造部門の話だと思われがちですが、設計部門でもできること、また設計部門でしか行えないこともあります。 設計段階から製造工程でのプロセスや制約条件を視野に入れ、より製造しやすい設計を行うこともTime to Marketを短くするためには重要です。そのためには、次のような項目に注意する必要があります。
Time to Marketを短くするための設計は、製品を企画する段階から始まります。顧客のニーズに合わせた製品を開発することは重要ですが、それでは設計開発に時間がかかります。できるだけほかの製品と共通の部分が多くなるように設計して共通部分をモジュール化することで、設計の時間を短くし、かつ高品質な製品を開発できます。
共通のユニット、モジュール、部品を使用することで、設計時間が短くなります。また製品開発や製造段階、保守作業においてもコストダウンできます。部品の種類が減ることで調達もしやすくなります。
さらに共通の部品やモジュールを使用することで、規格や規制への対応も簡単になります。また、ミスやトラブルの発生も少なくなり、体のコストダウンにもつながります。
Time to Marketを短くして製品をできるだけ早く市場に投入することはとても重要です。しかしスピードを重視するあまり、低品質な製品をやみくもに投入しても売り上げにはつながりません。さらに低品質な製品によって顧客の信頼を失うことは避けなければいけません。市場投入を急ぐあまりに低品質な製品になることも、完成度を追求して開発が遅れることもないように注意し、製品を市場に投入する時期を決定する必要があります。
このように、Time to Market短縮を実現するために設計部門から提案できることはたくさんあります。設計部門から製造部門まで一貫して対策を行うことで、製品開発から市場投入までのスピードが上がり、効率的にシェアを獲得することができます。
参考: