単線図と複線図
電気図面は設備の制御情報を示す方法として使用されます。設備の電気回路を表す図面としては主に「単線図」と「複線図」が用いられます。
単線図は「単結」「単線結線図」「単線接続図」とも呼ばれ、
複線図は「複線結線図」「複線接続図」とも呼ばれます。
この単線図と複線図の違いを一言で言うと、単線図は「概要を示した図面」であり、複線図は「詳細を示した図面」です。
違いは?
単線図はシンプルに回路全体の機器構成や容量、接続を表すための図面であり、シンボルとよばれる簡単な電気用図記号と1本の線で示します。
用途としては計画や打ち合わせでの説明に用いられます。たとえば、プラント系などの大きい設備や受電設備の全体の構成を把握するために、単線図は必要となります。
回路図例・シンボル例
シンボルによっては単線図と複線図で形が異なる場合があります。
シンボルを用いて単線図と複線図を書くと、以下のような図面になります。
Eplanで複線図を描いて単線図を描いた場合のデモ動画
単線図
複線図
単線結線図作成のポイント
複線結線図のもとになる単線結線図を作成するときのポイントについて説明します。
まず単線図の目的は全体の構成を示すものですので、細かくなりすぎないように気をつけましょう。
作成時のポイントは次の5つです。
- 1線は1本で表し、実際の本数は斜め線で書き、線番号を書く
斜め線や線番号が書かれていない図面もありますが、書かれているほうが丁寧です。
- シンボル付近に機器番号、消費電力や容量、電圧仕様などを書く
シンボルを書いただけでは情報が足りません。
ブレーカーであれば、「遮断容量」「極数」「フレーム数」など、必要最低限の情報を記入します。メンテナスやトラブル対応時のことを考慮して機器番号も忘れず記入しましょう。
- 線同士を接続する部分には丸点を書く
ほかの人が図面を見たときに線が交差しているのか接続しているか分かるように、接続する場合は接点に丸を書きましょう。
- 単線図に制御回路などの展開図を書かない
繰り返しになりますが、単線図は全体を把握するための概要を示すのが目的の図面です。
制御回路などの細かい情報は複線図(複線結線図、展開接続図)に書きましょう。
- 制御盤の内外を区別する
施工範囲が明確になります。
ここまで5つのポイントを紹介しましたが、もちろん各社によってルールが異なります。どの情報を書けばよいか迷った場合は会社内にあるほかの図面を参考にするのも良いでしょう。
単線結線図をメカCADで書いていませんか?
メカCADは機械用CADとも呼ばれ、その名のとおり、機械図面に特化したCADです。
単線結線図や複線図のみならず、電気設計は電気設計に特化したCADで書くことをお勧めします。
シンボル間の結線や部品表などのレポート作成を自動で行う機能などが総合電気CADには含まれていることが多いです。設計に関する手作業を減らすことで、設計工数の削減、ほかの仕事に時間を回すなどが可能です。
電気設計CAD導入検討の場合はぜひEPLANも思い出していただければ嬉しいです。
Eplanとはどんなソフトウェアなの?
参考:
電気エンジニアのツボ|電気図面の種類とは?単線接続図、複線接続図など6種類を紹介
電気エンジニアのツボ|単線結線図の読み方(見方)、回路記号と良い図面の見極め方
日本産業標準調査会|データベース検索-JIS検索(日本産業規格 JIS C 0617)
最終更新日:2025年3月14日