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プラント設計における基本設計と詳細設計の違いは?PFDとP&IDの違いも解説

作成者: Admin|May 17, 2021 10:00:00 PM

プラント設計において、製造過程を図式化するダイアグラムに「PFD」と「P&ID」があります。PFDはプロセスフロー図、P&IDは配管計装図とも呼ばれます。この記事ではプラント設計における基本設計と詳細設計の意味と違いと事前設計で使えるEPLAN PrePlannningの紹介をします。

もくじ

プラント設計の仕事

何かを製造するには工場が必要ですが、この工場設備のことを「プラント」と呼びます。プラント設計の仕事は工場設備を設計することです。

プラントの種類によって必要な設備や施設が異なります。例えば石油、食品、製鉄など製造物によっては熱処理が必要だったり、水処理が必要だったりします。そのためプラント設計には幅広い知識が求められます。

基本設計と詳細設計

プラントにはさまざまな種類がありますが、どのプラント設計でもその内容は大きく分けて「基本設計」と「詳細設計」に分けられます。

基本設計では、プラントに必要な設備や作業員の人数など、プラントの大まかな流れを概略で設計します。

詳細設計ではこの基本設計を元に、必要な設備の詳細や建設設計など実際にプラントを建築するにあたり必要となる要素を設計します。

それぞれの違い

プラント設計における基本設計と詳細設計についてもっと詳しくみていきましょう。

基本設計では必要な設備や作業員の配置など、プラントの大枠を決めます。プラント全体の設備や人の流れを把握する必要があるため、基本設計の設計者には広い視野が必要です。また設計するプラントに必要な設備は何か、効率良く稼働させる人員配置は適切かなど、依頼主への提案力やコミュニケーション力も求められます。

それに対して詳細設計では、基本設計を元に各設備の詳細な設計や設備を配置するための建築設計をおこないます。プラントを実際に稼働させるための設計となるので、詳細設計は「実施設計」とも呼ばれます。詳細設計の設計者には建築・化学・機械や電気などさまざまな専門的知識が求められます。

プラモデルで例えるならば、プラモデルを組み立てるための説明書が基本設計、そしてプラモデルのパーツを設計するのが詳細設計といったイメージです。

PFD,P&ID

次にプラント設計の製造工程を図式化する「PFD(Process Flow Diagram,プロセスフロー図)」と「P&ID(Piping&Instrument Diagram,配管計装図)」について説明します。

PFDは「Process Flow Diagram(プロセスフロー図)」の略で、工程系統図とも呼ばれます。 PFDはプロセスの全体の流れを分かりやすく把握するためのもので、詳細な情報は記載しません。プラントに必要な設備のみを表示しており、プラント運転者が直感的に分かりやすくするために写真やイラストで図示されることもあります。

参考:EPLAN PrePlannning

一方、P&IDは「Piping&Instrument Diagram」の略で、配管計装図とも呼ばれます。 P&IDはプラント設備におけるプロセスの流れや方向、サイズ、それぞれの識別番号など、詳細な情報を記載します。設計者はプラント全体の工程や前後の設備との接続を考えながらP&IDを作成します。このP&IDによってプラント運転者は、設備を動かす適切な作業量や操作をイメージすることができるのです。

なお、設計するプラントの種類により使用する記号(シンボル)は異なります。記号の種類も多いため、P&IDの作成は特に複雑となります。そのためPFDやP&IDを作成するなら、専用の設計ソフトを使用するのが良いでしょう。

EPLAN PrePlannning紹介

プロセスエンジニアリングデータは、機械およびプラントシステムエンジニアリングの中心的な情報源です。EPLAN PrePlannningを使用した設計データはEPLANプラットフォームで一元管理され、流体動力設計および電気設計で使用することができます。

Preplannningのデータには、プラントシステム機械、建物のアクチュエーターとセンサーを含めることができます。また、Excelなどの外部ソースからデータをインポートし、プラントシステム、機械の概要、計装図などを作成できます。