EPLANは、設計の標準化を考える際に重要なポイントとして、「国際規格に沿った標準化」を挙げています。国際規格に基づいた標準化は、企業間での統一性や効率性を高めるだけでなく、グローバル市場での競争力を向上させる重要な要素となります。
この考えから、規格の企画シリーズとして2つお役立ち資料を作りました。
図面の階層構造と文書の分類と指定では、IEC・新JISの規格に沿った電気設計の標準化をするために必要な考え方をまとめました。
IEC(新JIS)と旧JISとNFPAの比較では、いくつかのシンボル取り上げて、IEC(新JIS)と旧JISとNFPAの比較をしました。
なぜIEC(新JIS)と旧JISとNFPAのシンボルを比較することにしたのか、その背景をお伝えします。
電気設計に関する課題についてお客様と話をしていると、依然として多くの企業が旧JISを使用していることに気づきました。その理由として挙げられるのは、
といった理由です。
多くの企業では、電気設計の標準化や効率化のために最適な手段を模索しています。自社の規則に合わせるか、国際規格に適合させるか、あるいは両方を組み合わせるか、答えは一概にはありません。しかし、EPLANは、グローバル化や標準化の観点から、IEC(新JIS)の採用を選択肢の一つとして検討していただきたいと考えています。身近なシンボルを通じて、標準化を考えるきっかけになればという思いで、この資料を作成しました。
製造されている製品でも、設計は過去に行われているものが少なくありません。当然それらの設計関連資料は、当時のJISに基づき作成されたものです。その後JISが改正されても、わざわざ新JISに則って作成し直すことはほぼありません。
その結果、旧JISで作成された古い資料はそのまま現在でも使用され、今も旧JISが使われ続けるという状況になっています。また、過去の設計資産を活用(流用)して、新しい設計を行うことも多いので、昔から使っている旧JISシンボルなどを今も使っているということも考えられます。
旧JISの回路記号は日本の方言と言える独自の規格が含まれるため、海外のエンジニアにとって理解しにくい要素となっています。世界市場での製品販売がますます拡大する中、設計段階からグローバル化に対応し、どの国でも使える回路図を作成することが重要です。
これにより、海外市場でもスムーズに受け入れられるだけでなく、国内外での新規業務や新しい設計者の参加にも柔軟に対応できます。
「社内の設計資産が旧JISであるため」や「すでに社内で標準化されているものがある」というお客様も多くいらっしゃいますが、シンボルをIEC(新JIS)に切り替えることは簡単な一言ではなく、実際にはさまざまなハードルが存在することを理解しています。
しかしながら、現在の状況では、日本の製造業を取り巻く環境は多岐にわたります。少子高齢化、なじみの協力会社の倒産や縮小、新たな協力会社との取引増加、そして海外との連携強化などが挙げられます。
いつか必要に迫られた時には、新しいJIS規格がシンボルとして用意されていること、電気設計の標準化をEPLANがサポートできることを、覚えていていただければ幸いです。
注|旧JISと呼ばれ、会社で使用されているシンボルは、会社によって違うことが多いです。なので、旧JISシンボルは参考程度に見てください。
注|EPLANはIEC(新JIS)とNFPAなどのシンボルは標準搭載していますが、旧JISは対応していません。
公開日:2021年3月1日
最終更新日:2024年4月3日