クラウドサービスが多くの企業で使われていますが、仕様書や設計図などのデータを保存するのは不安だと感じる人もいるでしょう。ここでは、設計者が一般ユーザーとして仕事でクラウドサービスを利用するときの注意点をご紹介します。
クラウドサービスは製造業の開発現場で使っても大丈夫?
製造業の開発現場でも、データをクラウドサービスに保存する企業が増えています。理由は、ほかの業界でクラウドサービスを利用するときと同じで、以下のことが挙げられます。
製造業の開発現場でクラウドサービスを使うことには、以下の2つのメリットがあります。
製造業の設計現場で使用するデータは、開発中のものや客先企業の機密情報など、外部に漏れてはいけないものばかりです。そのようなデータをクラウドに保存しても大丈夫でしょうか? クラウドサービスはIT環境の専門家によるものです。データの暗号化やバックアップ、サーバーや回線の二重化など、さまざまな対策を行っています。それによって、データ漏洩(ろうえい)を防ぎ、常にデータを最新の状態に維持し、いつでも使える状態にしています。つまり、データの情報の機密性、完全性および可用性を維持しているのです。
クラウドサービスを利用すると、ひとつのデータをチーム全員で共有して操作できます。その場合問題になるのはバージョン管理です。
クラウドサービスはデータのバックアップを保存していますが、ひとつのデータを複数の箇所にコピーしているだけです。ファイルを間違って変更または削除した場合、前のバージョンを取り出せるわけではありません。複数人で同時にファイルを操作している場合には、前のバージョンに戻すのが大変です。
確実にファイルのすべてのバージョンを保存しておきたいなら、自分のPC、もしくは社内サーバーにもバックアップや退避データを用意しておきましょう。
製造業の開発現場では、図面をはじめボリュームのあるデータが多く、ネットワークでの転送量はかなり大きくなります。設計においては、データを頻繁にやり取りする必要があるので、注意が必要です。 データの送信にかかる時間は、回線の太さやクラウドサービスのサーバーとの距離によって異なります。
クラウドサービスがデータを保存していても、クラウドサービスや回線に障害が発生してアクセスできなくなることがあります。クラウドサービスが復旧作業を行っている間、作業を止めるわけにはいきません。 滞りなく開発作業を行うためには、定期的にクラウドサービス以外の場所にバックアップを保存しておきましょう。できれば複数のバックアップを用意しておくと安心です。
ほかにも、適切なユーザー権限の管理やパスワードの管理など、一般的な注意も必要になります。ユーザーの不注意を原因としたクラウドサービスからのデータ漏洩は数多く起こっています。できれば二段階認証やワンタイムパスワードなどのセキュリティーオプションを利用しましょう。
EPLANでも、クラウドから使えるサービスが提供されています。
EPLAN eBUILDは、回路図作成や流体動力設計を簡単に行うためのEPLANプラットフォームです。ルールセットを作成すると、それをもとに自動的に回路図を作成します。 クラウドサービスで提供されているので、世界中からライブラリにアクセスでき、遠方の客先とも一瞬でデータを共有することが可能です。 サブスクリプション方式で、使う分だけ料金を払うことができ、気軽にテスト導入することができます。ユーザーの増減も簡単です。
EPLANプラットフォームで作成した設計プロジェクトに、タブレットなどでクラウドから直接アクセスすることができます。これにより設計チームと技術チーム、メンテナンスチームとスムーズなデータ共有が可能になります。
EPLAN eSTOCK(イーストック)は、クラウド上で部品データを管理できるソリューションです。部署や会社を超えた複数ユーザー間で、共通の部品データをもつことができます。
クラウドなら蓄積したデータを使うことができ、遠方のスタッフや取引先ともファイルを共有できます。これからは日本でもクラウド利用の開発が増えていくでしょう。
EPLAN Cloudはどなたでも登録できます。登録するとEPLANのクラウドソリューションを試してみたり、eLearningを見ることができます。無料で登録できるのでぜひご活用ください。
参考:
公開日:2018年9月25日
最終更新日:2023年10月6日