日本電機工業会NECAの『制御盤製造業界向けDXガイドライン制御盤2030』では制御盤の製造に関して下記のような問題が述べられています。
3.4.1 設計の属人化 (10ページ)
これまでは熟練技術者の暗黙知として,回路図等の独自ルール化が行われており,その紙ベースの情報を基に質の高い制御盤を製造することが可能であった。また,新規制御盤の設計・製造と言っても部分的な変更を行うことが多く,既存の図面の一部変更指示と今までの経験値で製作が対応可能であった。
しかし,多くの暗黙知が存在するために,経験値が少ないエンジニアでは色々な問題も発生し,それをサポートできる熟練技術者の定年問題も存在する。今後,制御盤の設計,製造の暗黙知から形式知への移行が求められる。
3.6.1 熟練作業者の技術伝承 (19ページ)
設計部門が作成した製作指示書(電気回路図,機器配置図,ハーネス図,板金図など)に基づいて製造する。組み立てや配線作業での効率や見栄えなどは製造部門の暗黙知に留まっており,熟練作業者の技術が伝承されていない。
このような制御盤の製造における属人化、暗黙知問題や、作業する人によって品質が変わる、そもそも作業者不足といった問題を制御盤のデジタルツインを活用したツールを使って解決しませんか。
制御盤のデジタルツイン、いわゆる現物と同じ3Dの制御盤レイアウト設計データには、制御盤製造に必要なデータが含まれています。例えばダクトとDINレールの取り付け位置。部品の位置。From-Toを含む接続情報と事前に定義していれば配線ルートも。これらのデータを参照しながら作業を行うことで、暗黙知やその人のスキルに拠ることなく制御盤製造がおこなえるというわけです。
制御盤のデジタルツイン(3Dデータ)。3Dデータがあれば2Dデータは自動でできる。
このやり方なら熟練した技術者の負担を軽減し、既存のスタッフリソースをより有効に活用します。例えば回路図を読むことができる作業員が不足している場合でも、制御盤のデジタルツインデータを参照しながら作業ができれば、部品の取り付け位置、結線作業が行えます。新しいメンバーが作業をしているので、熟練した技術者はより複雑な作業に取り掛かれる、と言ったことも考えられます。
のちに紹介するEPLANのソリューションはわかりやすく単純な画面構成になっているため、特別なトレーニングなしで利用できます。
EPLANにはダクトとDINレールを含む盤内部品の組付指示 Smart Mounting と 配線作業指示 Smart Wiringの 2つのソリューションで制御盤の製造工程をアシストします。この2つは総称してEPLAN Smart Production Collection とも呼ばれます。
ブラウザベースのソフトウェアなので、タブレットやパソコンを使い組み立て工場や製造施設で直接利用できます。難しいトレーニングは一切不要で、直感的に使うことができるソリューションです。
Smart Mounting(スマートマウンティング)では盤内部品であるDINレールとダクト、機械部品と電気部品の組付け指示をわかりやすく表示します。表示されるガイドや、3Dデータ、回路図、寸法など欲しい情報はタッチすると表示、自由に確認ができるので、作業スキルや内容によってお好みで操作していただけます。
結線作業をステップバイステップでガイドするSmart Wiring(スマートワイヤリング)というソリューションです。Smart Mountingより数年早くリリースされているので、すでに多くの機能改善がなされています。
Smart Wiringでは結線に必要なワイヤ一覧および、色・径・長さ・結線ルートがタブレットやモニターで表示されます。こちらもSmart Mounting同様、3Dデータを自由に動かし参照できるので、ルートの確認を視覚的にサポートしています。
詳しい製品情報の説明はこちらの記事でご紹介しています。
具体的に「どういうことができる?」「操作性は?」「どんな機能があるの?」
といった内容をEPLANのエンジニアがご紹介します。
電気設計から製造との連携を模索している方や
制御盤メーカーが抱える「ベテラン技術者の不足」「人員不足」「納期のプレッシャー」「部品の欠品による変更」などのお困りごと解決のお役に立てれば幸いです。
公開日:2023年11月20日