制御盤の部品配置作業を支援するEplan Smart Mountingと、
制御盤の配線作業を支援するSmart Wiringというソリューションのプロモーション用に、
デモ制御盤を1面作るというプロジェクトが立ち上がりました。
本プロジェクトでは、
Data Portalから部品データをダウンロード、Electric P8とPro Panelを使い設計し、
EplanデータをリタールのPerforexにインポートして、盤の穴あけ加工をしました。
制御盤の組立・配線にはSmart MountingとSmart Wiringを使いました。
規模は違えど、実際に設計から製造までデータの連携をした記録です。
本プロジェクトでは、電気設計者としてのバックグラウンドも豊富で、Eplanのテクニカルエンジニアとして約10年のキャリアを持つ電気設計者と、
中板も電線も触ったことはないマーケティング担当者がサンプル制御盤を実際に作りました。
設計から製造までデータがつながるEplan、どのようにつながっていくのか実録レポ形式でご紹介します。
一見何の問題もなくスムーズにいくと思われたこのプロジェクト、実はいろいろなことがありました。
Electric P8・Pro Panel 担当 産業設備の電気設計、PLC、現地立ち上げ、ほぼすべてを経験してEplanに入社。電気設計の知識、Eplanの知識も豊富なエンジニア。 |
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Smart Mounting・Smart Wiring担当 Eplanが大好き。だけれど電気設計の基礎知識はなく、回路図は読めない。いつかフォークリフトを運転してみたいと思っている、マーケティング担当。 |
本プロジェクトで使用する機器は、Data Portalに掲載されているもので構成しました。
Data Portalの部品検索方法が、昔よりかなり良くなっていたよ。 |
Data Portalからインポートした部品データを使って回路図を書きます。部品をレイアウトスペースにドラッグすると、シンボルが表示されます。
Data Portalからダウンロードした部品情報に、必要な情報を付け加えたり修正したりして回路図作成しました。今回のプロジェクトでは、Electric P8のシンボル間の自動結線機能やスマートコネクト機能が活躍しました。
Data Portalからダウンロードした部品情報を、プロジェクトに合わせて修正・変更しました。回路図はElectric P8のシンボル間の自動結線機能や、レポート機能でサクサク書けてよいね。 |
Electric P8で回路図が作成できたら、Pro Panelで制御盤内3Dレイアウト設計に移ります。
回路図で使用した情報を活用するので、配置する部品をドラッグ&ドロップするだけで3D部品が配置できます。部品情報に付与されている、穴をあける位置情報を元に、ネジ穴の場所を中板に反映します。
今回はDINレールとダクトの穴あけ位置は、修正を加えて調整しました。
3Dレイアウトスペースに置くだけだから、レイアウトはスムーズにできた。機械で加工するので、ダクトとDINレールの穴あけ位置の確認は重要で、修正が必要だったところもあったね。 |
部品にはどこからどの方向に電線を接続するか、という情報も含まれています。
この情報を元にルーティング機能を使うと、自動で配線経路・配線長が計算されます。
Eplanで作成した設計データをエクスポートし、穴あけ、カットアウト、ねじ切りを自動で行うリタールのPerforexに渡しました。データのやり取りは簡単ですが、事前に穴あけ情報など、部品データを正確に登録する必要があります。
リタール Perforex MT
EplanプロジェクトデータをPerforexで読み込んで、加工開始ボタンを押すだけ!ツールもPerforexが自動で持ち替えて、穴あけ、ネジ切までできる! |
電線もリタールの全自動電線加工機 ワイヤーターミナル WT Cで加工できます。
今回は機械を使わずに電線を準備しました。
今回は、制御盤の組立どころか、中板も初めて触るマーケティング担当者がSmart MountingとSmart Wiringを使って制御盤を組立・配線しました。
Smart MountingはPro Panelで設計した3Dのデータをベースに、どこに何の機器を配置するのか、制御盤の組立作業を支援するツールです。
中板が重い! |
まずは穴をあけた穴板にDINレールとダクト、機器を取り付けていきます。
Smart Mountingの3Dデータのおかげで、部品と取り付け位置、順番など把握することができました。配置済み部品のステータスを変更するステップ、達成感を積み上げていきます。
この作業は3Dレイアウト表示のおかげで難なく完了しました。
続いて結線作業も行っていきます。Smart Wiring上で必要な電線の種類と長さを確認し、指示された長さに沿って切っていきます。端子の圧着は初めてなので手こずりました。
フェルール端子のみ、リタールの自動圧着マシンRCを借りて圧着。
圧着の失敗も少なく、差し込むだけで圧着してくれるので作業効率は上がりました。
初心者には自動マシンが心強いです。
圧着が終わったのでSmart_Wiringの指示に従って配線をしていきます。
回路図は読めないので、3D表示に従って部品に差し込みます。
初めての制御盤組立作業は、Smart MountingとSmart Wiringを用いて、一人で完遂することができました。もちろん
完成!
Smart Wiringの指示通り電線を切ると少し長めでした。 手での圧着はこれでいいのか不安になってしまったので、自動圧着、差し込み式が一番簡単で間違っていないと確信も持てました。 |
製造工程まで連携できる電気設計データは、制御盤加工機や、制御盤組立・配線デジタル指示ツールを用いた製造支援までつながりました。
Smart MountingやSmart Wiringを使って、初心者でも組み立てることができました。
これのフローを実際のプロジェクトで適応する場合、設計データの作りが重要になります。今の設計データを製造連携に生かすことができるのか、
ご興味のある方はぜひリタールアプリケーションセンターにお越しください。
リタールアプリケーションセンターでは、電気設計から製造まで一連の流れを体験することができます。
リタールアプリケーションセンターWEBサイト
掲載日:2024年12月