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制御盤の製造連携事例で見るEplanでつながる電気設計と製造

作成者: Admin|Jan 12, 2025 3:00:00 PM

全ては電気設計から始まります。Eplanを使用した電気設計や3Dレイアウト設計データは、制御盤のデジタルツインとなり、その後の自動化された制御盤の製造工程までつながります

システムとデータの途切れることのない連携と互換性は、エンジニアリングのみならず、部品の発注業務、制御盤の製造、組立工程に至るまでの、プロセス全体最適化の出発点であり、目標でもあります。そして、EPLANのソリューションは、電気設計情報を活用した3D制御盤内レイアウト設計を可能にします。制御盤製造に必要な部品表や、穴あけ加工図などは自動で作成され、手作業工数を削減できます。

しかし、理論は分かっても「本当にそんなことができるの?」と疑問を抱く方も多いでしょう。
今回は、Eplanを活用して設計から製造までの連携を実現しているユーザー事例をご紹介します。

もくじ
  1. IDECファクトリーソリューションズ:3D構造設計データを活用した制御盤の設計・製造
  2. 東洋電制製作所:産業機械メーカーと設計データ利活用の共創事例
  3. マグトロニクス:Komax加工機との連携
  4. リタール:リタールアプリケーションセンター

IDECファクトリーソリューションズ

3D構造設計データを活用した制御盤の設計・製造

IDECファクトリーソリューションズではElectric P8とPro Panelを導入し、Eplanで各種制御機器に外形図を配置するだけで、穴加工図の自動作成が可能になりました。

Pro Panel上で事前に配線をすることで線長や接続経路を自動で計算したり、干渉確認も行えるようになり、効率的な業務が可能となりました。

Eplanで設計したデータをもとにした加工・組み立ての依頼をリタールに直接だせるようになったことで、

  • 加工・組立の依頼に関する、指示・伝達時間の削減
  • 既製品への筐体への穴加工時の品質の担保(傷・スパッタの飛び散りなど)

が実現できました。


IDECファクトリーソリューションズの事例を読む

東洋電制製作所

産業機械メーカーと設計データ利活用の共創事例

富山県新川郡上市町にある東洋電制製作所は、筐体の板金加工から制御盤の組み立てまで一貫した生産体制によって月産1200面もの制御盤の生産能力を持つ制御盤メーカーです。

量産品とカスタムの両方に対応するため、自動化やデジタルの技術を使って自社内の制御盤の設計・製造の効率化を進める一方、最近はエンドユーザー、機械メーカーといった発注者側が進めるDX、設計・製造工程の変革にも共創パートナーとして参画するなど活躍の場を広げています。
単に下請け的に制御盤の製造を請け負うだけでなく、顧客と一緒になって最適な制御盤づくりができるメーカーです。

同社はデジタルと自動化の技術を積極的に採用し、より正確で効率的な製造に向けて生産性向上を進めています。特に力を入れて取り組んでいるのが、設計データの連携と自動化。2017年に社内に生産技術部門を立ち上げ、それまで熟練者に依存していた制御盤の製造工程を、誰でも同じようにできるよう取り組みを開始しました。

また「電線の事前準備の分業化と電線加工の自動化」についても、電気設計の3D図面データと、制御盤の外殻となる筐体の構造設計の3D図面データをEPLANでかけあわせ、必要な電線の種類と長さ、本数を正確に算出できるようにし、時間と手間のかかる電線加工を配線作業から切り離して分業化しています。

2022年には電線のカットから圧着端子の取り付け、電線の仕分けまで、電線加工の全工程を1台で全自動で行えるライオンパワー製の全自動電線加工機を現場に導入。加工機にデータを投入するだけで圧着端子の装着など加工された電線が必要本数できあがり、電線加工工程を大幅に効率化でき、現在、本格稼働に向けた調整を進めています。

ほかにも、筐体の3D図面データは板金加工にも活用し、データを板金加工機へ投入することで効率的に板金加工ができるようになるなど自動化にも取り組んでいます。

工場のエンドユーザーや機械メーカーが DXに取り組むにあたり、制御盤は機械の頭脳・心臓部として機械の性能向上や機能強化、設計・製造プロセスの変革に密接に関係します。
しかしながら発注者の中で制御盤を自社製造している企業は少なく、制御盤メーカーにまかせているケースがほとんど。発注者側だけでは制御盤に関する知見や技術が不足していることから、そこに手を付けたいけど付けられないというケースが出てきています。

それに対し同社は、制御盤の専門家としてエンドユーザーや機械メーカーが取り組む制御盤まわりの困りごとや課題解決をサポートする受け皿となり、制御盤の設計・製造受託で得た知見・技術を生かした新たな事業をスタートしています。

ある産業機械メーカーでは、設計部門が電気回路図面を作成していますが、設計部門では製造部門でどんなデータが必要かを知らず、設計のための設計図面になっていて、製造をはじめ他工程での活用はなされていませんでした。それに対し同社が製造工程で必要なデータやあると便利な情報、さらにはその活用法についてアドバイスをし、既存の情報に肉付けをして活用しやすいデータづくりをサポートしています。

マグトロニクス

Komax加工機との連携

神奈川県座間市に本社を置く制御盤・操作盤・配電盤やケーブル・ハーネス製作を中心に制御を取り巻くトータルソリューションを提供し、月産700台の制御盤を生産しています。

従来、同社では製作図を電気図面から手作業で起こしていました。そのため、多大な工数と図面間の不整合などがどうしても発生しており、電気CAD導入によりこの課題解決を目指しました。
電線加工機メーカーKomax AG社が販売する装置へ設計データを変換することなく、データの送信ができるという理由もありEplanを導入しました。



また、同社は制御盤製造のデジタル変革を支援する「制御盤DXアシスト」の提供を開始しました。今までの電気設計3D CADを使用したノウハウを活用したサービスを提供しています。

リタール アプリケーションセンター

神奈川県小田原市にあるリタール アプリケーションセンターでは、筐体への穴あけ・切断の自動加工機「Perforex MT」、全自動電線加工機「ワイヤターミナル WT」を導入し、実際にEplanで作ったデータを加工機に送って自動加工をする設計・製造連携のデモ体験することができます。


Eplanで設計したデータが各種加工機、制御盤組立配線支援ソリューションまでのつながりを一気通貫で見ていただけます。


アプリケーションセンター訪問は随時受け付けておりますので、下記リンクよりお申し込みください。

公開日:2025年1月9日