
新JIS規格に準拠した回路記号で行う電気設計
2020/03/23
EPLAN製品情報
EPLANグローバルブログの日本語訳です。
元の記事:Five reasons why you should be creating schematics with macros
「長年の経験や慣れがあるので、手作業でも問題なく設計できます」
「マクロ機能とは…カスタマイズですか?」
「マクロを作るのは大変そうですね」
これらは、EPLAN Electric P8でマクロ機能を紹介すると、電気設計者からよく言われることです。
回路図がそれぞれ異なっていても、多くの人は、過去のプロジェクトから使える部分をコピーして修正して設計します。それならば、いつもコピーしている部分を、標準化してはどうでしょうか。
標準化された回路図パーツ、マクロを使用することで多くのことが得られます。
マクロ機能を使うことで得られるメリットを5つ挙げました。
特注品の制御盤を設計する場合でも、回路図は、モータースターター、動力線、回路ブレーカーなど、固定または頻繁に使用される要素が常に含まれます。
この頻繁に使用される要素をマクロとして保存することで、新規のプロジェクトで使用することができます。すると、古い図面から回路図をコピーして、手作業で修正する必要がなくなります。マクロには、部品情報、定格値などを値セットに保存します。
参考:マクロ機能について|EPLAN バリューチェーンウェビナーより(You Tube)
一見すると、古い図面からのコピーペーストは、シンプルで簡単なソリューションのように思えるかもしれません。でも、実際には、トリッキーで時間がかかることがよくあります。
間違いも一緒にコピーしてしまうと修正が大変です。部品を間違えて発注してしまったら部品代も無駄になりますし、修正のためプラスで設計工数もかかります。
このように、コピーペーストだと、間違いや不要な部分をコピーしてしまう、逆に必要な部分をコピーし忘れてしまう、不適切な図面からコピーしてしまうというミスがあります。
こういったミスは熟練の設計者は気づくことができるのですが、あまり詳しくない人は気づくことが難しい場合があります。
そこで、マクロを使用すると、これらのエラーを最小限に抑えることができます。
例えば電源回路やモーター駆動回路といった形で完成品を一つのマクロに保存しておくことで、電気回路としての間違い防ぐことができます。
マクロライブラリにはすでにテスト済みですぐに利用できる回路図のパーツが含まれています。
マクロを使用すると、回路図ごとにまたイチから部品情報を調べ、シンボルを置き、回路図書くという作業を行う必要がなくなります。
(このように、すでにあるものを利用しないで、イチから自分の時間をかけて作業をすることを車輪の再開発というそうです。時間の無駄・お金の無駄・という意味ですが…)
再利用するマクロには、バリエーションを保存できます。これをバリアントと呼びます。
例えば、容量の異なるモーター駆動回路を、それぞれ適切な回路ブレーカーやヒューズを含めて保存することができます。
このマクロを使って新しく回路図を書くときは、プロジェクトにマクロを挿入して、要件にあったバリアントを選択するだけです。
参考:プレースホルダー機能(バリアントの選択):EPLANバリューチェーンウェビナーより(You Tube)
まだ「コピーアンドペースト」方式を使用している場合、
コピーしたい要素が、数多くの過去図面のどこで使用されているか・どこにプロジェクトが保存されているかすぐにわかりますか?
社内のxxさんに聞けばわかる。でももしxxさんが外出や出張でいなかったら?
設計者がそれぞれ自分のパソコンに設計データを直接保存している場合もあります。
コピー元となるデータを探すことにホトホト疲れ、結局自分で書いたほうが早いと書いてしまったことはありませんか。
EPLANを使った設計データは、EPLANマスターデータと呼ばれる場所で一元管理されます。もちろんマクロ情報も同じです。複数のユーザーでもマクロを並行して使用できます。
マクロが提供する利点は時間の節約だけではありません。
マクロを使い書かれた回路図は、回路図の品質が一定になることを意味します。
例えば、標準の仕様が無く設計者が独自の設計をしているようなケース。
モーター駆動回路において定格電流が15 Aのモーターに対して
ブレーカーの定格電流を15 Aのものを選ぶ設計者もいれば、20 A、30 Aを選ぶ設計者もいるとします。
その時15 Aのブレーカーだと定格電流ギリギリになり正常に起動できないことがあるなどの問題が起こります。
これには、「モーター駆動回路」というマクロを用意し、部品の組合せ(モーターとブレーカー)を正しく登録しておけば、設計者による差は発生せず、品質の一定化が可能となるわけです。これはまた、組み立て、調達、および保守の工程で成果を上げることになります。
EPLANソリューションのEPLAN Electric P8には、マクロの作成を非常に簡単にする広範な機能があります。そのほかにもシンボル間の自動結線機能など、電気設計者の作業効率を向上させる機能が標準搭載されています。
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