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株式会社東洋電制製作所

2017年にEPLANを採用した東洋電制製作所の6年後:制御盤DXを進行中

事例の種類
国内事例,
導入製品
Electric P8, Pro Panel,

人手不足と生産性向上に向け、熟練者の技術に頼っていた制御盤の製造工程を誰でもできるようにすることを目指す。

株式会社東洋電制製作所の2020年導入事例はこちら

東洋電制製作所はEPLANをどのように活用してきたのか
効果
  • データによる設計と製造部門の連携を強化
  • 社内の制御盤の設計製造にかかるタクトタイムの短縮と品質安定化

もくじ

富山県新川郡上市町にある制御盤メーカーの東洋電制製作所は、人手不足と生産性向上に向け、それまで熟練者の技術に頼っていた制御盤の製造工程を誰でもできるようにすることを目指し、設計と製造工程のデータ連携、いわゆる制御盤DXに取り組んでいます。それを支えるプラットフォームとしてEPLANを採用いただき、その成果が現れてきています。

 

月産1200面の生産能力 設計から製造、板金まで社内一貫生産

東洋電制製作所は、国内に5カ所(本社工場、製缶塗装工場、稗田工場、糸魚川工場、大阪工場)と海外のベトナム工場の6カ所に生産拠点があり、制御盤の電気設計から組み立て、配線、検査、現地立ち上げ、さらには筐体の構造設計から製缶、塗装も行う社内一貫体制が特長。

月産1200面の生産能力があり、工作機械をはじめ、産業機械やプラント機械、搬送装置、半導体製造装置など多種多様な制御盤や操作盤、中継箱等の製作を請け負っています。

 

2017年にEPLAN採用

EPLANを採用いただいたのは2017年。ちょうど世界的にインダストリー4.0IoTなどデジタル化がブームになっていた時期で、社内に生産技術部門を立ち上げ、データを活用して制御盤の設計・製造の仕組みを効率化させようというタイミングで採用いただきました。

同社が受注する案件には、「量産」と「カスタム品」、さらにその間の「準リピート品」の3つがあり、なかでも準リピート品は基本的な仕様はほとんど同じですが、機種やモデルによって少しずつ異なり、案件の数がある割に手間がかかるため、同社では主に準リピート品の設計・製造の効率化にデジタルと自動化の技術を活用しています。

 

自社開発のシステムで設計と製造部門をデータ連携 

特に力を入れているのが、データによる設計と製造部門の連携。あらかじめ設計段階で組み立てや配線作業の助けになるデータを作成し、製造工程はそれを元に作業ができるようにし、誰でも組み立てや配線作業ができる環境を整えています。

それを支えているのが、EPLANの機能をベースに自社開発した「TEC配線支援システム」

設計部門はEPLAN Pro Panelを使ってレイアウト設計やEPLAN Smart Wiringで配線ルート設計を行い、そのデータから各種指示書や帳票を簡単に作成。それを製造部門に共有し、作業者はタブレットで指示書や図面を見ながら各種作業ができるようになっています。これによりスキルや経験がなくても誰でも作業ができ、作業スピードのアップやミス低減、さらには人手不足の低減にもつながっています。作業実績も入力でき、リソースや工数の管理や品質管理にも有効活用しています。

 

設計データと自動機活用で電線加工を自動化

 

また設計データ活用は製造の自動化にもつながっています。

配線作業の際、電線加工を現場合わせで行っている制御盤メーカーはいまも多くありますが、同社では電線加工を別工程にして分業化し、自動機を積極的に活用して効率化しています。

電気設計の3D設計データと筐体の構造設計データをもとに、必要な電線の種類と長さ、本数を算出。そのデータを電線カッターや自動圧着機などに送り、電線加工の作業を自動化しています。

さらに、2022年にはライオンパワー製の全自動電線加工機を導入し、電線加工の全工程の自動化に向け、現在調整を進めています。

ほかにも、筐体の3D図面データは板金加工にも活用し、データを板金加工機へ投入することで効率的に板金加工ができる仕組みも整備しています。

 

発注者も含めたバリューチェーン構築を目指す

こうした取り組みによって社内の制御盤の設計製造にかかるタクトタイムの短縮と品質安定化に成功。今ではこの仕組みを機械メーカーなど発注者側に提案し、真の制御盤の設計から製造、保守メンテナンスまでの一貫した効率化、バリューチェーンの構築に向けた動きを加速させています。

実際に、ある産業機械メーカーの製品の設計・製造サイクルの効率化プロジェクトに対し、制御盤の専門家として参画し、設計から製造までつながり、活用できるデータづくりとその運用についてサポートを行っています。

 

「これまでの取り組みのなかで、ものづくりのノウハウを駆使し、データ連携を行なっていけば生産性が上がり、収益率が上がるのは証明されています。そのためにも自社だけでなく、発注元のお客様や同業の制御盤メーカーも巻き込んで、データ連携を普及していきたいと思っています」常務取締役 新田武史氏

 

単に制御盤を図面通りに作るメーカーから、制御盤の専門家として最適なバリューチェーンを実現する存在へとレベルアップしていきたいとしています。

 

2023年9月27日発行オートメーション新聞にも取材記事が掲載されました。許可を得てオートメーション新聞記事を下記にて公開しています。

 

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