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電気設計でよく使う回路をコピペじゃない方法で使いまわす|電気設計CAD EPLANのマクロ機能

作成者: Admin|Nov 9, 2023 10:00:00 PM

すでに電気設計の社内ルールが決まっている場合や、ベースとなる回路図をコピーして電気設計を行っている場合でも、回路図の整合性確認や部品表などの帳票類作成などの手作業に時間がかかっていませんか?

EPLANでは繰り返しよく使う回路図のパターンを登録して効率的に設計ができるマクロ機能があります。マクロ機能と一言で言っても内容は様々です。

この記事では、EPLANでどのようによく使う回路のパターンを登録し、ひいては回路図の自動生成にどうしてつながるのか機能紹介を通して具体的にご紹介します。

マクロ機能とは…カスタマイズですか?

「長年の経験や慣れがあるので、手作業でも問題なく設計できます」
「マクロ機能とは…カスタマイズですか?」
「マクロを作るのは大変そうですね」
これらは、EPLAN Electric P8でマクロ機能を紹介すると、電気設計者からよく言われることです。

総合電気設計CAD EPLANには電気設計をラクにする様々な機能を標準機能として提供しています。今回のこのマクロ機能も標準機能としてお使いいただけます。(何をどうマクロにするか、などのご相談もコンサルティングの中で一緒にルール決めなどを行うことができます。)

回路図がそれぞれ異なっていても、多くの人は、過去のプロジェクトから使える部分をコピーして修正して設計します。それならば、いつもコピーしている部分を、標準化してはどうでしょうか。
標準化された回路図パーツ、マクロを使用することで多くのことが得られます。

もくじ

1.マクロ機能:回路図の50%はどれも似ている

特注品の制御盤を設計する場合でも、回路図は、モータースターター、動力線、回路ブレーカーなど、固定または頻繁に使用される要素が常に含まれます。

この頻繁に使用される要素をマクロとして保存することで、新規のプロジェクトで使用することができます。すると、古い図面から回路図をコピーして、手作業で修正する必要がなくなります。マクロには、部品情報、定格値などを値セットに保存します。


これは回路図をマクロとして登録しています。

2.マクロを使うと間違える可能性が減る

一見すると、古い図面からのコピーペーストは、シンプルで簡単なソリューションのように思えるかもしれません。でも、実際には、トリッキーで時間がかかることがよくあります。

  • 古い図面の間違いも一緒にコピーしていないと断言できますか?
  • 必要な部品は廃版になってないですか?
  • 型式は同じですか?

間違いも一緒にコピーしてしまうと修正が大変です。部品を間違えて発注してしまったら部品代も無駄になりますし、修正のためプラスで設計工数もかかります。

このように、コピーペーストだと、間違いや不要な部分をコピーしてしまう、逆に必要な部分をコピーし忘れてしまう不適切な図面からコピーしてしまうというミスがあります。

こういったミスは熟練の設計者は気づくことができるのですが、あまり詳しくない人は気づくことが難しい場合があります。
そこで、マクロを使用すると、これらのエラーを最小限に抑えることができます。
例えば電源回路やモーター駆動回路といった形で完成品を一つのマクロに保存しておくことで、電気回路としての間違い防ぐことができます。


マクロライブラリにはすでにテスト済みですぐに利用できる回路図のパーツが含まれています。

メリット

  • コピー&ペーストによるミスをなくし効率的な設計が可能
  • 不要な個所のコピー&ペーストをするというミスがない
  • すでにある設計資産を設計で使いやすくする
  • ページをまたいだ接続の確認、変更が容易

参考:マクロ機能について|EPLAN バリューチェーンウェビナーより(You Tube)

3.プレースホルダー機能:仕様をプルダウンで選択

マクロには、バリエーションを保存できます。例えば、容量の異なるモーター駆動回路を、それぞれ適切な回路ブレーカーやヒューズを含めて保存することができます。

例えば下のGIF画像ではモーターの容量を右の図では値が1.5KWの時と2.2KWの時では1行目ブレーカーがSIE(シーメンス)とFUJI(富士電機)と違うことがわかります。

例えば、モーター駆動回路において定格電流が15 Aのモーターに対して
ブレーカーの定格電流を15 Aのものを選ぶ設計者もいれば、20 A、30 Aを選ぶ設計者もいるとします。このように設計者ごとに違う設計をしている場合でも、「モーター駆動回路」というマクロを用意し、部品の組合せ(モーターとブレーカー)を正しく登録しておけば、設計者による差は発生せず、品質の一定化が可能となります。

これはまた、組み立て、調達、および保守の工程で成果を上げることになります。

マクロを使用すると、回路図ごとにまたイチから部品情報を調べ、シンボルを置き、回路図書くという作業を行う必要がなくなります。

参考:プレースホルダー機能(バリアントの選択):EPLANバリューチェーンウェビナーより(You Tube)

メリット

  • プルダウンで選択するだけで回路図ができる
  • 回路図面の品質の標準化
  • 回路図ごとにまたイチから部品情報を調べ、シンボルを置き、回路図書く作業が不要


4.データは一元管理:元データを探す手間はなし

まだ「コピーアンドペースト」方式を使用している場合、
コピーしたい要素が、数多くの過去図面のどこで使用されているか・どこにプロジェクトが保存されているかすぐにわかりますか?

社内のxxさんに聞けばわかる。でももしxxさんが外出や出張でいなかったら?
設計者がそれぞれ自分のパソコンに設計データを直接保存している場合もあります。

コピー元となるデータを探すことにホトホト疲れ、結局自分で書いたほうが早いと書いてしまったことはありませんか。
EPLANを使った設計データは、EPLANマスターデータと呼ばれ一元管理されます。もちろんマクロ情報も同じです。複数のユーザーでもマクロを並行して使用できます。

5.ページマクロ機能

回路図だけでなくページ全体もよく使うマクロとして登録できます。例えば機種やカスタマイズ要件ごとにページマクロを作っておくなど。

これはEPLANが電気設計情報を一元管理しているからできることです。

メリット

  • 複数ページにまたがる部品情報を一括で変更できる
  • 手入力によるヒューマンエラーの削減
  • 部品表ともデータが連動しているので、回路図を訂正したら部品表のデータも変更される

 

電気設計CAD EPLAN Electric P8 カタログダウンロード


EPLANソリューションのEPLAN Electric P8には、マクロの作成を非常に簡単にする広範な機能があります。そのほかにもシンボル間の自動結線機能など、電気設計者の作業効率を向上させる機能が標準搭載されています。

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参考
Five reasons why you should be creating schematics with macros | EPLAN UK

公開日:2021年7月21日
最終更新日:2023年11月9日