電気設計を行っていると、手間のかかる作業に直面することはないでしょうか。そんなときに考えたくなるのが「効率化」です。
効率化の基本ともいえるものが、コンピューターを使った電気設計です。
電気設計に限らず、コンピューターがなかった時代には手描きによる設計が行われてきました。しかし、設計という機械的な作業をすべて手作業で行うとなると膨大な時間がかります。
趣味で設計を行うならまだしも、業務として行う場合はあまりにも非効率とではないですしょうか。イラストならば手描き独特の「味」は好まれるかもしれませんが、設計においてはそういったメリットはありません。
従って、短期間で開発を進めていかなければならない企業にとっては、コンピューターによる作図作業のサポート、いわゆる「電気設計CAD」の導入は必要不可欠です。
ただ、ひとことで電気設計CADといってもさまざまな製品が存在し、備えている機能も多種多様です。「CADは導入しているがいまだに効率化が課題だ」という企業にとっては、効率的な機能を持つ別のCADに変更することでその課題を解決すできる可能性があるのではないでしょうか。
電気設計CADのシェアと普及率は?機械CADの2D-CADと3D-CADシェアと普及率と比較して考える|Eplanブログ
日本の電気設計分野においては、似たような設計を行うときでも一から作り直すか、元となる図面をコピー&ペーストをして使用するケースが多くあります。
これは、日本の電気設計CADが「作図機能を向上させる」という方向で進化してきたものの、「既に存在するデータを有効活用する」という新しい機能が浸透しなかったからです。
現場の人間にとっては、やり方を根本から変えるのは大きなストレスになるため、長期的に見ると効率的と分かっていてもなかなか変えるのは難しいのが実情です。
そのため日本では、技術力は高くても業務の方法は古いままという企業が多く残っています。
以前、アペルザTVで「電気設計の忙しさを解消するには?」というオンラインセミナーを行いました。その時に設備電気設計経験者と「電気設計の忙しさは何なのか」を考えました。
たとえば、設計データが整備されていないという理由。
プロジェクトを保存する場所は決まっていても、図面のファイル名は担当者が自由につけていると、ファイルを開いてみないと、実際の探している図面かどうかがわからないのです。図面がどれだかわからないので、「あの回路をコピーしたい」と思っても、ファイルを開いては閉じて開いては閉じて繰り返して、回路を探すことになります。
回路図と使う部品の整合性の確認にも時間がかかることがあります。
回路図を描いている段階で、使用するセンサーの線の数が2本だと思っていたけれど、部品をチェックをしてたら3本だったとわかり修正が必要だったりします。
プロジェクトを終了後に回路図を修正しようとしても、すぐ次のプロジェクトが来たり、忙しくて、忘れたり、そのままになってしまいます。設備の設計は、掛け持ちでいろんな仕事をしていくことになります。このような「なんだかんだ手戻りにかかる時間」となって、積み重なり、忙しい原因になります。
「データがつながっていない」ということに気が付きました。
「設計データをつなげる」というのは、回路図や部品表、ケーブルリストなどの設計情報が一元的に管理され、関連データがリンクされている状態にすることです。
関連データがリンクされている状態というのは、例えば回路図に部品の情報を与えれば、自動的に部品表ができたり、回路図で、1か所修正するだけで自動的に関連箇所がすべて更新されるということです。これで手間のかかる繰り返し作業を減らすことができます。
海外では情報をデータベースで管理し、自動で作図が可能なものが主流となっています。
設計データをつなげてなんだかんだの手戻りを防止するといった、電気設計の効率化を考えてCADを導入するのであれば、データベース型CADとよばれるものを導入するのが良いでしょう。
データベース型CADの良さは電気設計専用CADとは? の記事でもまとめました。よかったらこちらもご覧ください。
忙しさの原因の一つであった「回路図から部品表などExcelにまとめなおす作業」が、データベース型CADのEplanではどのようにできるのかをご説明したビデオがあります。
回路図を書く段階で、シンボルに部品を割り当てて作図するので、クリック一つで必要なレポート類が自動で作成されます。
転記ミスや何度もコピーして貼り付ける作業は不要です。
よく使う組み合わせや、社内で標準回路として使用されているものはありませんか?
それをデータ化して、活用することができます。Eplanではマクロ機能・プレースホルダーオブジェクトとよばれる機能です。
電気設計をはじめ開発分野においては、新しいものを作る際に既に存在するものを改良する方が効率的です。実際に多くの現場では、旧モデルを改良することで新しいモデルを出しています。
データベース活用機能があれば、一から作成する必要が無いうえに、データを蓄積することで使える材料が着実に増えていきます。また、それらのデータベースを基にすれば、コンピューターが自動で作図を行うことも可能です。設計を自動化すれば、作業時間を大幅に短縮することができるでしょう。
電気設計専用CADとは?|Eplanブログ
データベース型CADの導入は、便利な機能を使えるというだけではありません。
同じソフトを使うことは、設計方法の統合ができるということでもあります。いくら技術力が高いエンジニアが多くそろっていても、ひとりではなくチームで開発を行うという性質上、「やり方の統合」は効率上の観点から必要不可欠といえます。
使っているものがバラバラだと、エンジニア同士がやり取りするだけでも大変です。
まずは企業内での統合を目指し、いずれは日本国内、さらには世界標準と合わせる方向で進めてみてはいかがでしょうか。
世界標準に合ったCADを使うことで、日本の技術を世界へ輸出することが可能となります。設計の標準化は、日本が世界と勝負するためにも必要な過程ともいえます。
現状、設計の現場では自動化できることがたくさんあります。効率化を進めることで、手間となっていた作業が削減され、エンジニアが本来注力すべき新しい製品の開発や、新しい価値の創造に時間を使うことができるのではないでしょうか。
Eplanは様々な標準機能を備えた総合電気設計CADです。詳しい機能紹介をブログにまとめました。ぜひご確認ください。
製品についてのお問い合わせやお見積りのご依頼などはお気軽にお問い合わせください。
最終更新日:2025年1月