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5つの誤解を解く!2D電気設計から3D電気設計へ移行するメリット

作成者: Admin|Sep 4, 2023 10:00:00 PM

近年、制御盤の設計や製造は、ますますデジタル化が進んでいます。設計も製造も自動化が進み、より効率的で質の高い設計・製造が可能になりました。

この自動化のプロセスでは、電気設計の3D化が重要な役割を担っています。2D図面から3D設計に移行すると、大きな効果が得られます。世界中で使われている電気設計CAD EPLANは電気設計を3Dで行います。3D電気設計のメリットについては3Dでの設計作業が想像以上に時間を節約できる理由でも詳しく紹介しています。

3D電気設計のメリットを頭ではわかっても、自社で導入するか考えると難しそうだと感じませんか。今まで2D図面でやってきたから、過去の設計資産が2Dだから、今までと同じように設計できないときっと何か問題があるだろう、など様々な難しそうに思える理由がいくつも挙がります。しかし、実は2Dの電気設計から3Dの電気設計への移行は思っているよりも壁は高くありません。2D電気設計から3D電気設計の移行で思われがちな5つの誤解をまとめました。EPLANならスモールステップでも電気設計の3D化ができること、自動化を始められること、そして3D電気設計で得られる効果が相当なものであることをお伝えします。

1.2D図面から3D設計への移行は迅速かつ簡単

3D電気設計への移行を提案すると、「3Dソフトは重くて難しい。必要な部品を一から丁寧に描かなければいけないので大変そう」と言われることがあります。
しかし、実際は違います。

まず3Dは重たそうだという誤解。EPLANはDirect 3Dエンジンにより高速3Dレンダリングが可能です。ソフトウェアのパフォーマンスを強化し、制御盤内3Dレイアウト設計の作業を軽い動作で行えます。閉じたプロジェクトをより速く再開するためのキャッシュ技術やズーム、回転、移動など、最適化された作業インタラクションを提供しています。

3D電気設計や制御盤の製造で必要な部品の3Dデータも一から作る必要はありません。部品メーカーが作成した3D部品データをEPLAN Data Portalからダウンロードして利用できます。これらのメーカー3D部品データにはドリル穴位置情報まで含まれている部品もあり、それを活用すれば中板の加工に必要な寸法を自動で算出できたりできます。また加工機と連携しデータを送れば、自動で穴あけ加工まで済んでしまいます。

EPLAN Data Portalの日本掲載メーカー情報

2.3Dになっても問題なく2D図面よりはるかに明白でミスのない設計ができる

効率的に製造工程を進めるためには、作業準備段階の早いうちに設計ミスやエラーを発見することが重要です。しかし、2D図面では、空間や寸法に関するすべての情報が得られません。2D図面を、実際に製造する制御盤メーカーが読み解き、実際の制御盤のレイアウトに変換しなければなりません。実際に組み立ててみると、制御盤内の部品同士が干渉してしまうこともあります。

電気設計を3Dで行うと、設計段階で多くのエラーを解決することができます。
例えば、EPLANでは、制御盤内の部品の配置やレイアウト設計も3D上で部品が干渉して制御盤のドアが閉まらない場合、干渉していますよというエラーを検出します。実際に部品を組み付ける前に修正できるので、ソフトウェア上ですぐに修正することができます。

 

どうしても2D図面が必要な場合もあります。その場合3Dデータから2D図面を作成するという方法があります。必要なのは2D図面ではなく、正確な設計データの書いてある2D図面ですね。でしたら3Dデータで可能な限りエラーのない設計をし、2D図面を作成するという方法の方が効率的ではないでしょうか。

3.3D設計は2D設計より時間短縮できる

製造業は、常に納期のプレッシャーにさらされています。納期に間に合わせるために、残業が続くことは珍しくありません。残業が続く理由のひとつは、2D図面を使った作業が効率的でないということかもしれません。

どういうことでしょうか?回路図を書くソフトウェア、制御盤内レイアウト図を2Dで書くソフトウェア、部品表や端子図を別のソフトウェアで作る・・・。一つの工程につき別のソフトウェアでデータを作る工数はどれほどありますか?手戻りが発生した場合、再度データを作る工数が発生していませんか?

電気設計を3Dで作業すると、3D部品データを使って回路図を書くので3Dレイアウト図も作成できます。前述のようにそれを2D平面図への変換も可能です。部品表、結線図、端子図、板金加工図など必要なドキュメントも設計データをベースに出力できます。別のソフトウェアを使ってコピペ、ペンでチェックを入れながらデータを作るという工数、そしてヒューマンエラーで発生する手戻りやミスが少なくなります。

 

時間短縮になるだけでなく、制御盤組み立てでも使えるデータが同時に作成できます。例えば、3D設計を使えば、自動の穴あけ機やフライス盤と連携ができます。その結果、製造工数削減につながります。3D設計への切り替えと製造の自動化により、多くの時間を節約することができます。その結果、手作業量が減り、工数が短縮できます。

4.3D電気設計データを製造工程で活用した柔軟な対応

制御盤のレイアウトや配線の情報がデータで残る3D電気設計では、製造工程でも3Dの恩恵を受けことができます。例えば、繁忙期に電気回路図が読め、制御盤の配線や組付けに必要な人材を急に確保することは困難です。3D電気設計であれば、制御盤の部品配置、配線に関する詳細なデータが一目瞭然です。それをステップ バイ ステップで取り付け順序や配線順序、位置をガイドできたらどうでしょうか。即戦力となる人が増えるのではないでしょうか。習うより慣れろ、見て覚えろ、という時代ではなく、3Dレイアウトを使って、配線や組付けの人材育成や教育のサポートも可能です。

制御盤内の部品配置位置を教えてくれるSmart Production

5.3D電気設計は製造の自動化への第一歩

制御盤製造における自動化は、高まる需要に対応するため、より効率的な作業、より高い品質を確保するために必要不可欠です。いつも同じ制御盤メーカーに依頼できている今の状況も、数年後には変わっているかもしれません。誰が見てもわかる。誰が見ても作れる。そんな電気設計データを制御盤メーカーに渡せたら、制御盤メーカーを変更せざる得ない状況が来ても対応できるのではないでしょうか。

制御盤メーカーも急速に進む自動化や労働力の減少対応で遅れをとっていては進歩が望めません。例えば、全てを手作業かつマンパワーでカバーし、頑張って作業をこなす企業で、忙しさの為受注できなかった案件も、もし自動化に少しでも対応していて工数や人材にゆとりが生まれていたら受注できたかもしれません。企業の成長・継続のためには、時代に合わせて自動化することが重要です。2D図面から3D設計に切り替えたことで、自動化の第一歩を踏み出せるのです。

2Dから3Dへの切り替え

電気設計を3Dに切り替えることは、時代の流れに対応するために必要なことです。
機械設計はもう数十年前に3D設計へ移行を行いました。今日では3D設計がスタンダードになっています。3Dデータを使った設計がいいのか、2Dデータの設計がいいのか一目瞭然ですね。

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公開日:2022年12月07日
最終更新日:2023年9月5日