Eplanは電気設計に特化したコンサルティングサービスを提供しています。しかし、電気設計のコンサルティングと言われてもイメージしにくいと思います。
企業ごとに全く違う電気設計にどのようなコンサルティングサービスを提供しているのでしょうか。
トレーニングとは「Eplanの基本操作を習得するためのもの」です。
なのでトレーニングは、工作機械メーカーも自動車メーカーも制御盤メーカーでも、どのお客様も同じ標準的内容になっています。
コンサルティングとは「お客様のワークフローや製品や課題に合わせてカスタマイズされたもの」です。Eplanを使ってどのようにお客様の課題を解決できるのか、お客様のワークフローやプロセスに基づいてEplanの最適な機能や規格に準拠した設計方法の提案・実施をします。コンサルティングで作成した設定はのちのプロジェクトへの展開が可能です。
一言で言うと、トレーニングは標準内容、コンサルティングは具体的なトピックに合わせた内容、という違いです。
コンサルティングサービスをうけると、Eplanのツールを最大限活用できるという良いところがあります。
例えばトレーニングを受けて回路図の書き方はわかった。そこにコンサルティングを受けて自動で必要な情報が表示された帳票類を作成できるように、Eplanを使っていく。といったこともできます。Eplanを最大限に活用した効率化ができます。
電気設計の効率化やプロジェクトの立ち上げの時間を短くできるというメリットもあります。
Eplanにはいろいろな機能、いろいろな設定があります。どのように設定するか、テンプレートを準備するか、トレーニングの後に模索して自力で準備するよりも、Eplanのコンサルタントと一緒に準備を進めたほうが、準備を早く進めることができます。
Eplanのコンサルティングは、ユーザーが課題を自分で認識できない場合や、解決方法がわからない場合にも対応できるサポートを提供します。
なぜそんなことができるのでしょうか。
それはEplanが電気設計を専門に30年以上グローバルで培ってきた知識と経験に基づきます。世界中のあらゆる業種業界の電気設計の効率化を考えてきました。
また日本でも約10年、多くのユーザーと一緒に電気設計の効率化を考え、コンサルティングを提供してきた日本独自の経験値もあります。これは他社にはない強みです。
電気CADを取り合えず入れ替えることが対症療法なら、コンサルティングを使いながらEplanの電気CADを入れることは根本治療と言えばイメージつくでしょうか。
お客様ごとにさまざまな課題は違いますが、具体的には次のようなサービスを提供しています。
社内で問題なく使えるように、ユーザーのIT担当者とユーザーの社内環境を確認しソフトウェアのインストールとセットアップします。
ネットワークライセンスであればサーバーにライセンスマネージャーをインストールしたり、SQLサーバーのセットアップ。ライセンスの認証や部品データベースのセットアップなど。
インストール時だけでなくバージョンアップ対応などのサポートも行います。ユーザーの環境に合わせてEplanを正しく使えるようにインストールすることで、Eplanを使用した電気設計の基盤をしっかりと整えます。
Eplanで示す標準化の範囲は「電気設計」に関わる標準化になります。
IEC規格(新JIS規格)や社内規格に準拠した、図面規格の標準化を行います。ユーザーの設計対象物に合わせて、どのようにEplanで標準化していけばよいのか一緒に考えます。
規格に準拠する図面を書くメリットは、だれでも理解できる図面になることです。
「標準化」のために、Eplanには シンボルライブラリ が あります。
IECやNFPAに準拠したシンボルが標準で準備されています。
設計者は必要なシンボルを選択して回路図を書くことができます。
電気回路の標準化もあります。
同じ回路を違う設計者が書くとき、属人化しているとAさんとBさんでは書き方が異なるということはありませんか。ベテランの設計者と新人設計者では間違いの数が違うなど。
それを防ぐためにEplanでは社内の回路を標準化することができます。設計資産を一元管理できるというメリットもあります。
「回路の標準化」のために、Eplanには「マクロ」という機能があります。標準回路を登録しておき、必要な時にそれを使う方法です。
Eplanでは IEC81346-1による構造化に準拠しています。
こうしておくことで、設計する設備が大きくなればなるほど、どこに何の回路図があるというがすぐわかります。
階層構造に分けて図面を描くと、レポートを出すときも階層構造に分けてレポートが出せます。
ここは外注さんAにだす、ここは外注さんBに出す・とフィルターかけることができます。
Eplanの示す「自動化」には、回路設計の自動化、帳票生成の自動化の2つがあります。
自動化のメリットは回路設計の時間とミスを削減できることです。手動で回路図を生成していたり、帳票類を作っている方が多いのではないでしょうか。このようなことを自動で行うのがEpanです。
ただし、自動化の前には回路図の「標準化」が必要になります。
帳票生成の自動化は、回路図だけではなく様々なリストを自動で生成します。
他のシステムと連携することで、全体のプロセスの効率化ができます。
たとえば、PLMシステム連携やPLCソフト連携。ワイヤー加工機連携、製造指示連携
端子列構成ソフト連携(フエニックス・コンタクト/ワゴ)など。
まず、PLMシステムの場合。
Eplanは電気設計ツールなので、PLMシステムと連携することで、電気プロジェクトデータや図面データをPLMで管理することができます。
EPLAN用の部品データとPLM部品データを同期することで、部品データの登録時間を削減できます。
EplanはPLMシステムと連携するために Eplan Integration Suite を準備しています。
次にシステム連携の1つとしてワイヤー加工機連携と製造連携について説明します。
メリットはワイヤー加工機用のデータを準備する時間の削減できます。
Eplanは3Dレイアウト設計で、電線加工に必要なデータを設計することができます。そのデータをエクスポート、加工機用に使用することができます。
製造連携としてEplan Smart MountingやSmart Wiringといった制御盤の組立配線指示を行うソリューションと連携もできます。
コンサルティングでは、設計のルールや図面の構造を決め、Eplanの電気設計ソフトウェアを使ってお客様に合った電気設計の運用を考えます。
今の設計をEplanで同じように再現するのではなく、ユーザーの設計手法や業務の流れに合わせて、どうすれば効率よくできるのか。そのためにEplanのどの機能を使うべきかを一緒に考えていきます。
また、Eplanのコンサルティングは基本的にソフトウェアのカスタマイズではありません。Eplanのさまざまな標準機能の組み合わせで、どのようにお客様の課題を解決できるのかを考え・提案するものです。
DMG森精機株式会社 は Eplanをつかい、電気設計図面の自動生成と製造連携で生産リードタイムを短縮しました。
同社では従来、工作機械に関する標準電気図面と、仕様ごとのオプション部分の電気図面を個別に作成/管理していました。制御盤メーカーではそれらの電気図面を、受注した工作機械の仕様に合わせて手作業にて再編集し、完成図面を作成していました。
EPLAN導入後は標準図面と全てのオプション図面を一つのプロジェクトデータ内で管理し、それを受注した工作機械の仕様に合わせて自動で完成図面の作成を行う事ができるシステムを構築しました。
導入事例はこちらから読むことができます。
Eplanはお客様の状況や課題を理解して、一社一社に合わせたコンサルティングをご提供しています。今回紹介したのは、コンサルティングサービスのベースです。
Eplanコンサルティングは、他社にはない独自のアプローチで、Eplanを運用していく為の基盤をお客様と一緒に作り上げ、お客様の電気設計の効率化をサポートします。お困りごとや、やりたいことなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。
公開日:2024年12月10日