
IEC規格とは?JIS規格、ISO規格との違い
2024/04/02
トレンド
電気設計部門の方々は、日々の設計業務に従事される中で、「さらなる効率向上を図りたい」「よりよい方法はないのか」といった疑問を抱き、電気設計ツールの更新や新規導入を検討されている方が多いのではないでしょうか。
しかし、電気設計という分野において、どのような基準でツールを選定し、どのような効果を得ているのかといった具体的な事例をインターネットで見つけるのは容易ではありません。そのため、多くの担当者が自社の課題を解決するためのツールを模索している状況です。
本記事では、電気設計ツールの選定に悩む担当者の皆様の参考となるよう、
資料「電気設計部門がツール選びをする時に一度考えてほしい3つのこと」を基に、ツール選びのポイントを詳しく解説いたします。
\ 電気設計CADの選定ガイドもございます /
どのような状況になると電気設計ツールの入れ替えを検討が始まるのでしょうか。
資料には、架空の工作機器メーカーの電気設計部 伊藤部長を例にした、検討のきっかけイメージを紹介しています。
伊藤部長は、20人の設計者を束ねていますが、納期はいつも短く、手戻り作業が頻繁に発生し、残業が多い状況です。また、仕事がベテラン設計者頼りになってしまい、若手の育成が後回しになっています。さらに追い打ちをかけるように、長年付き合ってきた制御盤メーカーから廃業の知らせが届き、急いで他のメーカーを探す必要に迫られました。
このような状況を知った上層部からは、「標準化し、電気設計の効率化と特定の盤屋に依存しない制御盤製造方法を検討するように」という指示が出ました。
伊藤部長は、「自社の仕事は特殊だから簡単に標準化できない」「ベテランと外注に頼るのが一番良い方法だ」と考え、上層部の指示に頭を抱えています。
このように、電気設計の効率化や標準化を求められたことが、電気設計ツールの検討を始めるきっかけになることが多いようです。
EPLANが、ツール入れ替えを検討している電気設計者の方々から聞く検討理由をまとめたところ、業種や企業規模に関わらず、多くの電気設計者が同じような課題を抱えていることがわかりました。
その課題は、主に次の5つのグループに分けられます。
それぞれのグループについて、具体的な課題内容を見ていきましょう。
最も多くの声が寄せられるのが、設計の効率化に関する課題です。
制御盤の製造プロセスにおける課題も多く挙げられています。
グローバル化の進展に伴い、海外に関連する課題も増えています。
設計の3D化の検討
深刻な人手不足
上記のように様々な課題がありますが、中でも「設計の効率化」を課題として認識している方が最も多いようです。
具体的に、以下のような点が多くの設計者が効率化の対象として認識している課題です。
これらの課題を解決できるツールを探すため、インターネット検索や展示会、セミナーで情報収集する担当者の方は多いでしょう。
複数のベンダーから話を聞いていくうちに、「あれもこれも」と検討項目が増えていき、最終的に一つ一つの細かい機能を○×表を使って比較する、というパターンは非常に多いかと思います。この○×表を使った比較検討は一見分かりやすいのですが、あまりオススメできないとしています。
なぜなら、そもそも機能が違うツールを対等に比較することは難しい場合があるからです。また、ベンダーからの情報提供スピードに差があったり、お金をかければどんな機能でもカスタマイズできてしまう場合もあるため、純粋な比較にならないことがあります。
担当者の方は日々の業務に加えてツール選定も担当しており、とにかく忙しい中で、ベンダーからの大量の情報を精査しきれず、ツールの選定基準を見失ってしまいがちです。また、「効率化」を今の課題を解決することだとだけ考えてしまい、目先の機能比較に終始してしまうこともあります。
参考:どちらの電気CADが自社に合う?標準ソフトウェア VS カスタマイズ|EPLANブログ
そんな忙しい電気設計者の皆さんに、EPLANがツール選びをする時に一度だけ考えてほしいことが3つあります。
それは、「効率化した暁にはどういう仕事をしたいですか?」という問いかけに繋がる考え方です。
EPLANは、電気設計者が本来の設計業務に注力できる環境を整えることが、電気設計の効率化の一つだと考えています。例えば、「過去図面をコピーして作図するので時間がかかる」「部品表などを別に作るから時間がかかる」といった現在の課題を解決し、その削減できた時間で「xxxしたい」という「xxx」に入る言葉こそが、皆さんの本来の業務、あるいは注力すべき業務なのではないでしょうか。
その「効率化のその先」を見据えるために、ぜひ以下の3つのポイントをツール選定前に考えてみてください。
「汎用CAD」とは、電気設計図面を単に「絵」として描くツールを指します。予算の都合などで、汎用CADを電気設計に流用しているケースもあるかもしれません。
しかし、汎用CADを使った電気設計は基本的に手作業での作図となります。手作業では、面倒な転記作業や、転記ミスのようなヒューマンエラーを防ぐことができません。また、手作業が減らないということは、仕事の属人化も解消しにくい場合が多いです。
実際、汎用CADを使っていた設計者の方がツール入れ替えを検討した理由として、使い勝手の悪さ、転記作業やミスの撲滅、エラー図面のコピー・再利用によるトラブル多発が挙げられています。
一方、電気設計に特化したツールで回路図を作成すると、シンボルがグラフィック情報だけでなく部品情報も保持するため、電気設計図面をデータ化できます。このデータ化により、設計で使った部品データを他の人が利用できるようになり、部品検索の無駄を排除できます。
参考:データベース型CADで電気設計を効率化する|Eplan公式ブログ
現状の課題を解決できるツールを選ぶことはもちろん重要です。それに加えて、将来の可能性も少し考えてみてください。
標準化した設計データがあれば、どんなことができるようになりますか?
例えば、標準化されたデータがあれば、一から設計し直さなくても、過去の設計をベースに次期モデルの設計工数を削減することが可能になります。また、自動配線加工機を導入して製造を効率化している企業では、設計からも製造に必要なデータを出力し、製造全体の効率化・品質向上を図りたいと考えています。
電気設計ツールで標準化を行うと、設計データだけでなく、部品表など製造で必要なドキュメントも自動で作成できます。これにより、手作業でExcelや別ツールに転記する際に起こる記入漏れや転記ミスによる手戻りを防止できます。さらに、作成したデータを製造機器との連携に使うことも可能です。
参考:■デモ動画あり■13秒で63ページの回路図を自動生成!電気回路図を短時間で作成するために必要なこと|Eplanブログ
ツール導入を考える際には、電気設計部門内だけでなく、他部署、関連会社、またPLM/ERP連携や自社ツールとつながることができるかを確認しておくと、将来の設計データの活用の幅が大きく広がります。
参考:電気CAD選びの重要なポイント?電気設計とPLMの連携|Eplanブログ
海外メーカーからの受注案件や、海外へ製品を納品する可能性はありますか? 今はなくても、将来はどうでしょうか?
もし将来、海外に製造先や生産拠点を持つことになった場合、あいまいな図面を元に完成品を納品してくれる制御盤メーカーは海外にはほとんどありません。設計者や作業者が100%理解できる図面を渡す必要があります。
海外との取引が増えるにつれて、「グローバルで使える電気設計ツールが必要」「欧州企業とのやり取りで規格対応が必要」「EPLANデータが受注要件」「海外との連携でEPLANが推奨された」といった声が寄せられています。
海外での設計・製造・保守を考えると、規格の国際標準化は避けては通れません。もちろん、国際規格だけでなく、新JISに対応させる標準化も重要です。将来、そのような規格の標準化、海外規格や言語に対応している電気設計ツールを導入しておくと安心です。
参考:【資料公開中】規格の企画「IEC・新JISに対応した 電気設計の標準化をするために 知っておくべき概念」|Eplanブログ
設計の効率化と一口に言っても、手戻りを防ぐのか、コピーして図面を描くことをやめるのか、製造連携を必須とするのか、など企業によって考え方や優先順位は異なります。
しかし、電気設計者が本来の設計業務に注力できる環境を整えることが、電気設計の効率化の重要な側面である、とEPLANは考えています。
ぜひ一度、皆さんの設計チーム、部署、そして会社全体にとって、電気設計の効率化がどのような効果をもたらすのか、考えてみてください。
本記事の元になったお役立ち資料「電気設計部門がツール選びをする時に一度考えてほしい3つのこと(PDF)」は公開中です。
電気CADを検討している方に向けて、今まで様々な業種、規模の電気設計者と電気設計の比較検討導入を進めてきたEplanが、今までの経験をもとにこんな視点で電気CADの導入検討をしてはどうでしょうか?という、電気設計CADツール選定ガイド をまとめました。
公開日:2020年11月6日
最終更新日:2025年5月15日