電気CADで使えるフォント。電気設備図に適したフォントはどんなフォント?

昨今、設計をする際にはCADを使うのが一般的になっています。電気設計においても電気設備図に特化した電気CADが使われています。図面には寸法や注記等を書くために文字が記入されますが、フォントをどうするか悩む設計者も多いでしょう。 本稿では電気設計初心者でも理解できるように、まずはCAD、フォントとは何かをまとめます。そのあと、電気CADでフォントを使うときのルールや歴史、見やすいフォントについてご紹介します。

今さら聞けない電気CADとは?フォントとは?

まず、初心者の方向けに、電気CADやフォントとは何かについてまとめます。

CADとはパソコンで図面を書くソフト

パソコンを使い仕事をするのが普通になってきた現代、CADは設計分野において頻繁に耳にする言葉です。CADとは「Computer-Aided Design」の略で、日本語直訳では「コンピューター支援設計」になりますが、本来の意味はコンピューターを使い設計をすること、またはその支援ツールです。今では図面を作図するためのソフトを指す場合がほとんどです。人の手だけで行っていた設計作業がCADの導入により効率化できるようになりました。

電気CADは電気工事配線図作成を簡単に

CADにはさまざまな分野に特化したソフトがあります。そのなかで、電気設計に特化したCADが電気CADです。 電気設計においては、電気設備図が必要になります。電気設備図には電気記号、配線配管などさまざまな記号が使われ、これらはIEC 60617やJIS C0617に規定されています。 一般的なCADではこれらの記号をすべて一から自身で作らなければなりません。それに対し電気CADはソフト側に記号が準備されており、選ぶだけで簡単に使えます。そのため、電気CADを使用することで、電気設計の作業効率化と手作業によるミスの減少が実現されます。

フォントとは文字の形

フォントはご存じの方も多いでしょう。パソコン作業で使用することが多いWordやExcelではフォントがいくつか用意され、選ぶことができます。同様に、CADでもフォントを選べます。今では信じられませんが、開発当初のCADではフォントが用意されておらず、文字も描画の直線や円弧で描いていた時代がありました。

電気CADでフォントを使うときのルール

次に、電気CADでフォントを使い実際に文字を書く際、どのようなルールがあるかまとめます。

図面に書く文字のルールならIEC 81714-2 やJIS B 3402

図面に書く文字を規定しているのがIEC 81714-2 やJIS B 3402です。例えばJISを例にとると、JIS B 3402は「CAD機械製図」というタイトルの通り、CADで機械製図を行う際のルールについて規定しています。

これは電気設備図を作る際にも同様です。JIS B 3402には線の書き方、図面の書き方や用紙のサイズなど、図面を書くためのルールが細かく書かれています。ここに文字についての記載も含まれていますが、フォントについては特に規定しないとされています。つまり、フォントについては特にルールは設けられておらず、書く人に任される形なのです。

CADフォントの歴史と見やすいフォント

では、電気CADではどのフォントを使えばいいのでしょうか?

CADフォントの歴史

先にも書いた通り、CADで文字は線や曲線で描かれていた時代がありました。フォントがCADに導入されたあとには、図面に使うような線や曲線で描かれたようなシンプルなCAD独特のフォントが使われるようになりました。今でも使われることがありますが、線や曲線で構成されることから、図面上のほかの線と重なりやすく、読みにくくなることがあります。また、バランスが悪くなる文字があったり、そもそも美しい字体でなかったりと、あまり使い勝手のいいフォントとはいえません。

見やすいフォントとは文字の形に理由がある

では見やすいフォントとはどのようなフォントでしょうか?

先に書いた通り、図面に使うような線や曲線で構成されたフォントは、図面においては図面そのものの線と重なることからどうしても見にくくなります。図面の中でも目立つフォントを使うのであれば、True Typeフォントでしょう。 True TypeフォントはExcelやWordでも使われるMS明朝やMSゴシックなど、WindowsやmacOSに標準的に装備されているフォントです。当然CADでも利用可能です。こちらもシンプルなフォントですが、点や払いといった細かい部分も表現されたバランスの取れたフォントです。そのため線や曲線で書かれた図面において、True Typeフォントは文字を差別化でき、見やすくすることができるでしょう。

電気CADで使うフォント。何を選ぶかは人それぞれ

本稿では電気CADを用いて図面を書く際の文字を書く規定をまとめたのち、どのようなフォントを実際に使えばいいか考えました。

結論としては図面を書く際のフォントに関する規定が設けられていないため、どのフォントを使うかは書く人に委ねられます。 図面というのは基本的には読みやすければいいので、デザイン的な見栄えの良さは考える必要ありません。しかし、一方で図面は見てもらう人に確実に正しい情報を伝えられなければいけません。そのためには、見やすいフォントを選び、見栄えのいい図面を描くのも設計者としての力量だといえるでしょう。

参考:

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