
新JIS規格に準拠した回路記号で行う電気設計
2020/03/23
トレンド
EPLANは電気制御盤・装置の電気設計を効率的に行うためのソフトウェアです。
従来の手法による回路設計では、線を引く、番号を振る、部品表(BOM)などのレポートを別途作成するなど、多くの手作業が必要です。これらの作業は自動化することができ、さらに自動化することで人件費・作業時間・エラーの削減に繋がります。
もう1つEPLANの特長は、設計だけでなく、設計から製造、メンテナンスまで、すべてがつながるエンジニアリングを可能にすることです。
この電気設計が効率的に行える点と設計から製造までつながるという点で、欧米を中心に世界中で標準の電気設計ツールとして導入されています。
導入業界は、自動車産業・産業機器メーカー・プラントメーカーなど多岐にわたります。EPLANは、お客様の電気設計のノウハウや専門知識を効率的にEPLANで運用できるようサポート体制を整えています。
参考:EPLANグローバル導入事例 一覧(英語) | EPLAN公式WEBサイト
EPLANプラットフォームとは、EPLAN製品が共有しているプラットフォームを指します。同じプラットフォームでEPLANを使った設計データはすべてここに集めら一元管理されます。ユーザーはここに保存されているデータを使用するので、常に「1つ」のオリジナルデータを全員で共有できます。
EPLANプラットフォームのもう1つの利点は、ERPやPDMシステムとの連携を可能にすることです。EPLANプラットフォームのデータはリアルタイムに処理されているので、外部ソリューションとの連携ができます。
参考:EPLANプラットフォーム上のソフトウェア一覧|EPLAN公式WEBサイト
ここで述べられている普通のCADとはいわゆる「お絵かき」をするだけのCADを指しています。
回路図は「絵」の情報でしかありません。なので、普通のCADで設計した後、部品表を作るためには、Excelや別のソフトを使い、新しいファイルを手作業で作成する必要があります。
また既存回路のコピペによる作業では、エラーの修正が忘れられている「絵」をコピーして使用して、思わぬミスを引き起こす原因になることもあります。
一方EPLANはデータを使用して、設計(作図)をします。
すべての設計データはチームで共通のプラットフォームで管理しながら設計を進めます。設計に変更があった場合、最新データはリアルタイムで全員に共有されます。EPLANはExcelの部品表、図面をPDF化など、設計データを様々なフォーマットでエクスポートできるので、部品表などのレポートを手作業で作る工数を削減できます。
機械設計の分野では、以前から再利用可能な設計データを利用してきました。
1つのプロジェクトを複数の機械設計者がそれぞれ個別に設計作業を行います。プロジェクトで再利用可能な、標準化されたライブラリデータを準備することで、複数の設計者が同時に設計作業を行い、作業工数を節約できます。
新しいプロジェクトが始まるときに、何度も同じ準備作業をするのではなく、すでにあるモノを再利用して始めます。
電気設計の分野では、長らく電気回路図は再利用が出来ない、単純な2D図面として認識されていました。
電気設計も部品に定格などの仕様情報を持たせることで、再利用可能なライブラリデータを構築できます。機械設計と同じように、何度も同じ準備作業をするのではなく、すでに標準化されたモノを再利用して始めます
参考:EPLANの電気設計機能を紹介したウェビナー|EPLAN公式You Tube
EPLANの電気設計のキモはマクロ機能です。マクロ機能とは、頻繁に使用する回路をテンプレートとして登録する機能です。マクロは再利用可能な回路です。このマクロ機能は動画を見ていただいたほうがわかりやすいです。
参考:EPLANマクロ機能説明|EPLAN公式You Tube
EPLANのメリットは他にもあります。
普通のCADによる設計は、変更や訂正に手間がかかります。
例えばページや部品の名前を変更する場合、関連するページ全ての変更を手作業で行わねばなりません。これは面倒なクリックと入力作業を何時間も必要とします。
EPLANではデバイスタグ、ページ数などの情報はすべてプラットフォーム上にあります。ある箇所を変更すると、全データが自動的に更新されます。エラーのない素早い更新作業が可能です。プロジェクトに関わる全ての人のデータも更新されます。
EPLANでは最小限の労力で、すべての変更を追跡・通知・共有できるリビジョン管理システムも備わっています。
自動更新で節約できる時間で、ほかの作業を行うことができますね。
正確な部品データは効率的な設計に不可欠な要素の1つです。しかし部品データを1から作ることはとても面倒です。
EPLANは、部品メーカーが作成しサポートしている部品データベース「EPLAN Data Portal」があります。世界中のメーカーが自社の部品データを管理し、このデータベースに定格や3Dレイアウト図などを公開しています。プロジェクト内に使用部品データをインポートするだけで、部品データを作る手間は省けます。
最新バージョンのData Portalでは、クラウド環境EPLAN ePulseとの全面的な統合が実現されています。EPLAN ePULSEに登録すると、新しいData Portalをすぐに体験していただけます。
EPLANでは制御盤内のレイアウト設計をするために部品の3Dデータを使います。3Dデータを使い設計することのメリットは何でしょうか。
制御盤製造の標準化を進める姉妹会社のRittalは、世界をリードする制御盤、配電盤などの筐体メーカーであり、それらを用いたシステムプロバイダーです。Rittal Automation Systemでは制御盤の久組み立てをより簡単に、より早く、そして正確に行うための加工機を使い、制御盤製造の自動化を進めています。
例えばEPLANで制御盤内の3Dレイアウト設計を行い、そこで作成された穴あけ位置データをRittalの切削加工機Perforecにインポートすると穴あけと切り抜きを自動で行います。
EPLANを使用して制御盤を設計すると、製造に必要なデータはすべてエクスポートできます。もしRittalのワイヤー加工機WTワイヤーターミナルなどのワイヤ加工機をお持ちであれば、少ない手作業で製造に移行できます。例えば加工機が別の拠点にあったとしても、データを送ることで連携ができます。
電気設計の現場にPDMを導入すれば、「CADデータ」「図面」「部品表」「設計変更情報」など、電気機械設計に必要なデータの管理が容易になります。また、過去の回路図面といったものが有効活用できるので、類似設計において力を発揮します。
さらに、ほかの設計部門と容易に情報共有ができることで、機械設計のデータも必要になるケーブル設計やハーネス設計における手戻りが少なくなるはずです。
電気設計の標準化や電気設計に係る工数の削減など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。