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2024/04/02
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生産性の向上や人手不足の解消といった理由から、製造業で「AR」の実用化が進められています。製造業でどのようにARが活用されているのか、電気設計・制御盤設計でARは活用できるのか、製造業でARを活用するメリットを紹介します。
ARは「Augmented Reality」の頭文字を取ったもので「拡張現実」と呼びます。「augment」が「増加する・拡大する」といった意味で、現実世界を拡張する技術のことです。
ARの具体的な例としては、スマートフォンやタブレットのカメラを通して、CGで描かれた映像を現実世界に重ねて表示するといったものです。
製造業においてはAR(拡張現実)で、既に世の中に存在するモノに対して、組立の指示や指導を行うという方法で使用されています。
製造業でARを活用するメリットは以下のようなものがあげられます。
製造工程においてARが活用されるようになる前は、紙媒体で書かれたマニュアルに目を通し、作業手順をきちんと理解するまでに時間が掛かっていました。
しかしARに対応したゴーグルを装着し、組立動画を見ながら作業できるようになれば、作業手順の理解も早まります。組立作業に慣れていない作業員でも実際の動画を見ながら作業もしくはトレーニングを積むことで技術の習得が可能です。
また、油を扱う工場など作業手袋をはめるような場面においても、マニュアルを参照しながら作業するのは大変です。ARゴーグルであればハンズフリーで作業できるというメリットもあります。
そして、組立手順において不明な点があったとき、遠隔地にいる技術者が質問に答えることができます。
実際に製造現場でARを活用している国内の事例としては「アサヒグループホールディングス」があげられます。
ARを導入する前は製造工程で何か問題が起きたとき、技術者が遠隔地にある工場へ直接向かう必要がありました。アサヒグループホールディングスではこのような問題を解決するため、1拠点から遠隔管理できる仕組みの構築を開始しています。
また海外の工場ではARグラスを用いた技術指導が進められており、ARグラス越しに技術者が工場の作業者へ具体的な作業指示を行っているところもあります。
技術者が遠隔地へ移動するための時間や費用の削減は製造業でARを活用する大きなメリットと言えるでしょう。ARグラスによる作業指示であればマニュアルを手にする必要もないので、衛生面の管理もしやすいと言えます。
参考:
YouTube│Example of the use of augmented reality in manufacturing
DIGITAL X│アサヒグループHD、国内すべてのビール工場を遠隔から管理する体制へ
では電気設計・制御盤設計でARは活用できるのでしょうか。答えはもちろんYESです。制御盤においては設計から製造、メンテナンスに至るまで幅広くARを活用することが期待できます。
たとえば設計段階では「EPLAN eVIEW Free AR」があります。
この様子は、EPLAN UK版ブログBring the control cabinet to life - with the EPLAN eVIEW AR add-on内で動画を使い紹介されています。
ドイツにいるティム氏は、作成した制御盤の3D設計をEPLANのクラウド環境にアップロードし、ロンドンにいるクリス氏とモデルを共有しています。クリス氏は、タブレットのカメラを使って、モンハイムから届いたデータを使い、制御盤の設置場所やその他の場所に直接3Dモデルを投影することができるのです。今回は小型の盤でデモを行っていますが、ARであれば大型の制御盤のように移動が困難な場合でも、移動や回転といった操作が容易にできるのもARを使うメリットです。
動画の中で、ロンドンのクリス氏は、3Dモデルに設置されたプラグが英国規格に適合していないことを発見します。プラグの交換を指示するためにメールや電話をする必要はなく、EPLAN ソフトウェア自体で簡単に行うことができます。
クリス氏がタブレットで直接関連するコネクタを選択すると、EPLAN eVIEW Freeというデジタル図面上にコメントを残せるソリューションでプロジェクトが開きます。そこで、マーカーやコメント機能を使って変更要求を書き込むことができます。
参考:【セミナー動画公開】メンテナンスで変更発生!タブレットで図面の訂正! EPLAN eVIEW 機能紹介
公開日:2021年11月17日
最終更新日:2022年8月31日