IEC規格とは?JIS規格、ISO規格との違い
2024/04/02
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現在の制御盤を製造の流れ・課題について、このようなことをよく聞きます。
このような課題は3D電気設計で設計する「制御盤のデジタルツイン」で、解決できます。制御盤における「デジタルツイン」とは、実際に納品される盤と全く同じ、3Dデータの盤を指します。制御盤のデジタルツインを作ると、制御盤の設計・製造コストが削減できるといわれますがなぜでしょうか。
メリットはたくさんあります!1つずつ見てみましょう。
部品を配置する工程で入りきらないことが判明するといった課題を解決できます。
3D電気設計の基本は、3D部品データを使うことです。3D部品データを使って制御盤内のレイアウト設計をします。部品データが寸法値を持っているため、無理に部品を配置することはできません。部品が干渉していた場合はソフトウェアがエラーを返します。事前に3Dデータで部品の配置を決めると、適切な制御盤のサイズが事前にわかり、配置位置まで正確に決めることができます。
もちろん中板の部品配置だけでなく、従来の平面図面によるレイアウト設計ではわからなかった、側面や扉につけた部品の干渉もソフトウェアが干渉しないか確認します。部品の位置に無理はないか、必要なダクトのサイズを事前に検証してから製造工程に入ることができます。
参考:EPLAN Pro Panel干渉チェック機能|EPLAN Japan 公式 You Tube
制御盤の寸法だけでなく、制御盤内の部品配置レイアウト、配線ルートを設計した制御盤のデジタルツインを事前に各関係者で共有することができます。もしなにか変更があっても、デジタルツインはバーチャル試作品なので、パソコン上ですぐに対応ができます。
従来の手法では部品の配置が終わった後、配線に必要なケーブルの長さをあわせながら確認します。事前に必要なケーブルの長さや末端処理がわかっていたらどうでしょうか。部品の組付け作業を並行して、ケーブルの準備ができますし、適切な長さの部材を準備することができます。
3D部品データが「部品のどこを線でつなぐか」という情報を持っていること、回路図のデータと連携することで接続の情報を制御盤のレイアウト設計でも活用することで自動配線が可能になります。もちろん手動での調整も可能。事前にルール定義をしておけば通したい経路も指定できます。
参考:EPLAN Pro Panel 自動配線機能:EPLAN Japan 公式 You Tube
制御盤のデジタルツインは、現物と同じものがソフトウェア上で表現されています。見た目だけではなく、部品、レール、ダクト等の取り付け穴あけ情報、部品接続の情報、ケーブル末端処理の情報など必要な情報はすべてデータでエクスポートできます。
CADで書いた図面を見ながら、別のソフトウェアでリストを作成したり、コピーペーストする作業は不要になります。
従来配線は回路図や配線図を読みながらの作業が必要でした。制御盤のデジタルツインでは配線ルートが見てわかります。EPLAN Smart Wiringというソフトウェアを使えば1本1本どの部品からどの部品へつなげばいいか指示を表示します。誰でも配線作業ができるというメリットだけでなく、1本1本チェックを入れながら作業をするので配線ミスを防ぐメリットもあります。デジタルデータで作業状況が表示されているので、作業途中で仕事の引継ぎもスムーズです。
参考:EPLAN Smart Wiring 紹介セミナー|EPLAN Japan 公式 You Tube
このような3D電気設計、制御盤の3Dレイアウト設計は「部品データ」が重要です。使用する電気部品データに、部品の仕様や定格情報、3Dレイアウトなどのデータを持たせます。
この部品データを使い、電気設計者は回路設計を行います。
部品の3Dデータを準備するのが面倒くさそう、大変そうだと思いましたか?EPLANではEPLAN Data Portalという部品のポータルサイトがあり、製造まで使える部品データ整備に力を入れています。EPLAN Data Portalに使いたい部品データがあれば、それをダウンロードして設計に使用します。
もちろんすべての必要な部品データがData Portalに載っているわけではないと思います。しかしEPLANで3D部品データの準備は思っているほど大変な作業ではありません。
参考:電気CADを3D化、部品データの登録は意外に手間がかからない?
その電気設計データをもとに、制御盤の3Dレイアウト設計を進めることで制御盤のデジタルツインができます。部品が寸法情報を持っているので、制御盤全体の大きさや、すべての部品を配置できるのかなど事前に把握することができます。現場の技術者が物理的に盤筐体と部材を目の前にしてから配置や配線を決めるのではなく、電気設計者がパソコン上でレイアウトを決められるということです。
ここで作られた制御盤の3Dレイアウトデータが実際の制御盤のデジタルツインとなります。しかし、製造過程で部品を変更した、配置を変えたなど発生した変更点も図面の赤文字で残すだけではせっかくのデジタルツインは意味をなくしてしまいます。
EPLANではEPLAN eVIEWというソリューションを使い、設計の後工程で発生した変更点を赤ペン機能を使って簡単に設計にフィードバックを送ることができます。
参考:EPLAN eVIEW - 設計データと現場をつなげるソリューション(日本語字幕)|EPLAN Japan 公式 You Tube
イギリスの制御盤メーカーLCAグループでは制御盤の生産性、正確性、適時性、再現性、品質を改善する方法を模索し、高いエラー率によるプロジェクトの遅延を回避、手動作業プロセスを改善するためEPLANとリタールのソリューションを導入しました。
導入しているEPLANソリューションはEPLAN Pro Panel、EPLAN Smart Wiring、EPLAN eVIEWです。
【制御盤製造】導入事例:制御盤製造の生産性、正確性、品質を改善。制御盤製造加工機との連携も。
制御盤製造にバーチャルエンジニアリングを取り入れ、設計から製造、メンテナンスまでデータでつながることで、設計効率、生産効率、メンテナンス効率が向上します。
さらに、一度作った設計データもリサイクルして活用できます。
電気設計の標準化はEPLAN、制御盤の標準化はRittal。お客様の制御盤製造の標準化を実現します。
公開日:2023年3月28日
最終更新日:2023年10月18日