製造業におけるコンサル事例も紹介!コンサルティングとは?どう活用する?

コンサルティングと聞いて、どのようなイメージをもつでしょうか?

コンサルティングに該当する厳密な日本語訳は実はありません。業種によってはコンサルティングを活用するのが日常的だったり、一方でコンサルティングを活用することに馴染みがない業種があったりと、コンサルティングに対するイメージはさまざまでしょう。

しかし、コンサルティングは効果的に活用すれば業務の効率化だけでなく、業績アップや新規事業の開拓につながり、ビジネスを改善・向上させることができます。

ここでは、コンサルティングとは何か、コンサルティングを活用するための方法、製造業でコンサルを入れた事例などを解説します。

コンサルティングとは

「コンサルティング」をあえて日本語に訳すとすれば「顧問契約した専門家による問題・課題解決」がコンサルティングの実態に近いでしょう。日本企業において顧問というと、経営者の相談役のイメージが強いかもしれませんが、ここでは「企業の問題・課題解決の専門家」という意味で捉えてください。

2019年に導入された「高度プロフェッショナル制度」において、コンサルティングは制度の対象業務となっています。この制度の中では、対象業務のひとつとして「企業の事業運営についての調査又は分析を行い、企業に対して事業・業務の再編、人事等社内制度の改革など経営戦略に直結する業務改革案等を提案し 、その実現に向けてアドバイスや支援をしていく業務をいいます」と記載されています。

引用:厚生労働省|高度プロフェッショナル制度 わかりやすい解説

では、このような定義がある一方で、業種によってコンサルティングに対するイメージが大きく異なるのはなぜなのでしょうか?

何をしてもらえるのかわからない

例えば弁護士であれば企業の法務、税理士であれば企業の税務を専門的におこなってもらう顧問契約が一般的なので、企業に勤めている方であればなんとなくのイメージはもちやすいのではないでしょうか。

弁護士や税理士などは業務独占資格で、その資格を保有しなければ特定の専門的業務に携わることができません。そのため、資格の名が体を表しているとも言え、専門家としてはわかりやすい部類です。 

一方でコンサルティングと一口に言っても、弁護士による法務コンサルティングや税理士による税務コンサルティングだけではなく、総務や人事、営業や研究、生産活動などを専門に扱っているコンサルティング企業も多く存在します。先述したとおり、コンサルティング業務自体に専門資格はありません。それゆえ法的規制がない業務分野であれば、だれもがコンサルタントを名乗ることができます。

総務コンサルタントや人事コンサルタント、営業コンサルタントと言われてピンとこない人が多いのも仕方のないことかもしれません。

価格に見合ったものが納品・実施されるのか不安

「コンサルティング=料金が高額」といったイメージをもたれることも少なくないため、価格に見合った成果が出るのか不安に思うこともあるでしょう。 

そうした費用対効果を考える場合、コンサルタントに依頼することを社内で行った場合に想定される人件費から換算する考え方や、コンサルティングが入ることで期待される利益のうちコンサルタントの役割に応じた割合から換算する考え方などがあります。

 参考:経営堂|第25回 『コンサルタントの費用対効果を考える』

コンサルティングを活用するためのTIPS

有効にコンサルティングを活用し、業務の効率化や改善に繋げるためにはどうすればいいのでしょうか。先述のとおり、コンサルティングはきちんと活用できれば「問題・課題解決」の手段として有効です。

依頼するのはあくまで自社の問題・課題解決である以上、コンサルタントに丸投げでは上手くいきません。コンサルティング活用のポイントを見ていきましょう。

コンサルタントの専門的能力と企業側のニーズにミスマッチがあるような場合には、スケジュールの遅れや未完などの状況も起こり得ますので、注意が必要です。

事前準備

1.5W1Hを整理し、目的とゴールを明確にする
自社の問題・課題に対して一度社内で5W1Hを整理し、コンサルティングを受ける目的とゴールを契約前に発注側が明確にすることで、その分野に強いコンサルタントとマッチングしやすくなります。

2.社内的な評価基準を準備しておく
コンサルタントは改善効果の最大値を狙うことが多いですが、その影響が大きすぎて自社に有益にならないこともあるでしょう。例えば、省人化効果が想定より性急だったり、大きすぎたりして配置転換や雇用確保が間に合わないケースや、コストダウン狙ったために品質が損なわれたりするケースです。そのため、必達目標と妥協点はあらかじめ想定しておく必要があります。

3.第三者の視点を設ける
予算と時間の兼ね合いにはなりますが、コンサルティング内容の妥当性や実現性を第三者的な視点から比較できる体制を整えておくことも大切です。
例えば、トレードオフの関係になる事項(安全性⇔コスト、生産性⇔健康・福祉、セキュリティ⇔利便性など)は、それぞれの専門となるコンサルタントやつながりのある有識者に意見をもらうようにして異なる角度からの視点を取り入れましょう。

コンサルティングですることの内容共有

秘密保持契約締結は必要ですが、上記1、2に関しては発注仕様書、検収条件として文面にて明示・共有するべきです。また、各種データもできるだけ未加工の状態で共有したほうがよいでしょう。もし社内的なデータ処理や解析手法に問題の根源がある場合、加工されたデータからでは問題点が発見できない可能性があります。

製造業のコンサルティング

製造業でのコンサルティングについて考えていきましょう。

製造業はデータ(設計、調達、加工、生産など)を外部に開示することや、従来の手法を変えることを避ける傾向があると言えるでしょう。なぜなら、製造データや従来の手法にはその企業のノウハウが多く含まれているからです。他社に対する競争力を外部にさらけ出すのを避ける企業は少なくありません。

それでもコンサルティングを活用する場合はどういった場面があるでしょうか。

コンサルというとIT系WEB系のイメージが強くない?

近年では、2025年の崖に危機感を抱き、DX(デジタルトランスフォーメーション)やスマートファクトリーといった製造業のデジタル化の取組みが急ピッチで進んでいます。人口減に加え、諸外国の台頭の中で、日本の製造業の競争力が低下している現実があるからです。

この状況に対応するため、国を挙げてITの力を最大限活用し、国際的競争力を高めようとしています。

今までの製造現場は、経験の長い職人的な人材に支えられてきたとも言えます。それゆえに、製造現場では製造人員以上にIT人材が不足している状況です。よって今後、製造業でのITにおけるコンサルティングの活用がより活発になっていくと考えられます。

製造業でコンサルを入れた事例

製造業の中でもユニークな分野でのコンサルティングの活用によって高い効果を挙げた、とあるコンサルティングの事例を紹介します。これは2019年6月6日に「モノづくりコンファレンス2019」にて紹介された事例です。

輸送機器メーカーのA社では、製品の仕様が変更になるたびに数百ページの製品マニュアルの改訂を社内でおこなっていました。しかしながら、その改訂のたびに多額の編集費用や多言語化費用が発生し、校正作業も大きな負荷になっていたようです。さらに編集者によって表現がバラバラであったため、サービスマンの作業効率を大きく損ねた結果、顧客満足度にまで悪影響が出ていることが問題でした。

そこで、A社が注目したのが、マニュアル作成のコンサルティングをおこなうB社のマニュアル作成RPAの導入でした。これにより、誰がやっても同じ統一されたアウトプットが得られるようになり、編集費用を70%削減することができ、またマニュアル品質管理の標準化によってサービスマンから本社への問い合わせが大幅に減少しました。その結果、顧客満足度の改善にもつながったのです。

このように、製品や工程の直接的な改善ではなく、付帯作業の改善で大きな結果が得られる場合があるのも製造業におけるコンサルティング効果の特徴かもしれません。

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