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2024/04/02
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近年、制御盤を含む電気設計業界では、設計・製造効率の向上や設計と製造の連携が求められています。この変革のカギを握るのは部品データです。部品データはデジタルツインを構築し、設計から製造までデータをつなぎ、作業効率を向上させるための重要な役割を担います。本記事では、部品データの重要性と、Eplan Data Standardを解説します。
制御盤の小型化、短納期、多種多様化、人手不足、工数削減、海外メーカーとの競争や海外展開など、制御盤や装置に求められることがたくさんあります。自動化やAIの活用も加速しています。
これに対応するために、設計と製造をデジタルデータで正確につなぐことが求められており、その中心にあるのが、制御盤のデジタルツインと、それを支える高品質な部品データです。
制御盤のデジタルツインは、実際の制御盤を仮想空間上に再現したもので、制御盤の電気設計工程から制御盤の製造、実際の運用、納入後の保守に至るまでの情報を一元管理することができます。
このデジタルツインにより、設計者は3Dモデルを用いて部品配置や配線経路を事前にシミュレーションし、DINレールやダクトの配置、穴あけが必要な位置、電線の経路や必要な長さなどをソフトウェア上で正確に把握できます。
製造現場ではそのデジタルデータに基づいて加工機で自動加工や、3Dデータを参照しながらの組み立てや配線作業に活用することがで、従来現物を見ながら対応していた工数を削減することができます。
この制御盤のデジタルツインを作成するためには、単なる型番情報だけでなく、寸法、取り付け位置、配線接続ポイントなど、詳細で正確な部品データが必要です。
デジタルツインを活用して製造自動化やAI活用を進めるには、部品一つひとつのデータ品質が非常に重要なのです。
EPLAN ProPanelを使って作成した3D盤のデータと穴あけ加工図
Eplan Pro Panelで作成したデジタルツインで作成した中板の穴あけデータを、リタールのPerforexという筐体専用自動加工機にデータを送ると加工機による穴あけが可能です。
このように制御盤のデジタルツインを実現するには、高品質な部品データが使用部品の数だけ必要です。
では、そのデータをどうやって用意すればいいのでしょうか。
電気CADに、部品メーカーのWEBサイトから部品データを手作業で入力したことが何度ありますか?どれくらいの時間がかかりましたか?データの入力ミスはありませんでしたか?
調査によると、中小企業や機械メーカーが部品データの作成に費やす時間は、月に15時間にものぼるそうです。
(Eplan Data Portal: Receive missing/incomplete device data with credits EPLAN UKブログより)
様々なメーカーのWEBサイトを訪問し、PDFをダウンロードして仕様を確認して、回路図に反映する、という作業はとても時間がかかります。メーカーによって表現や表記方法がバラバラであったり、問い合わせをしなければ確認できないこともあります。
電気設計に必要なデータだけではなく、制御盤のデジタルツインや製造連携まで考えると求められる情報はかなり膨大な量になります。
そんな部品データにまつわる手間やミスを減らし、電気設計から製造までデータを正確に連携できるよう、Eplanは、Eplanのソフトウェアで利用できる部品データの品質基準を定めました。
それがEplan Data Standard(EDS)です。
Eplan Data Standard(EDS)とは、電気設計から製造までデータが利用できるように、部品データの品質や構成を統一するための品質基準です。これにより、メーカーが異なっても必要なデータ項目がそろった状態で、部品データを利用、制御盤のデジタルツインを作成し、設計から製造まで耐えうる設計ができるようになっています。
接続ポイントパターンとは、電線が部品のどこからどこに、どの向きで接続されるのかというデータを指します。
このData Standard部品は、Eplan Data Portalという電気部品データのポータルサイトに掲載されています。
Eplan Data Portalは、Eplanユーザーでなくても誰でもアクセス可能です。
ぜひ、普段使っているメーカーや部品がどのくらい掲載されているかチェックしてみてください。
また、日本メーカーのデータ掲載数も増加しているので、国内製品を使った設計や制御盤製作にも、さらに活用しやすくなっています。
Scholle IPN Canada社では、Eplanの導入によって配電盤の設計と生産時間が大幅に短縮されました。
以前は、設計図を紙に描いた後にソフトウェアで描き直すという非効率なプロセスを取っていましたが、現在ではナンバリング、クロスリファレンス、部品表(BOM)の作成などをすべてEplan上で完結できるようになっています。
さらに、Eplan Data Portalの活用も大きな効果を生みました。
担当者は、「Data Portalは今では発注業務に欠かせない存在になった」と述べています。
Data Portalには、部品メーカーが直接管理・更新する正確なデータが登録されており、設計中に数回のクリックで正しい仕様の部品をすぐに選定できます。
その結果、回路図作成にかかる時間を50%削減。以前は1ヶ月かかっていた作業が、わずか約2週間で完了するようになり、紙からソフトへの移行ミスも解消されました。
Scholle IPN Canadaがパネル設計のリードタイムを50%短縮した秘密
制御盤設計・製造の自動化やAI活用が加速する中で、デジタルツインはますます重要な役割を果たしています。そして、その基盤となるのが、正確で高品質な部品データです。
Eplanでは、電気設計から製造まで一貫して活用できるよう、部品データの品質と構成を標準化したEplan Data Standard(EDS)という基準を設けています。EDSに準拠したデータを使うことで、異なるメーカーの部品であっても、設計・製造プロセスがスムーズにつながり、制御盤のデジタルツインをサポートします。
Eplan Data Portalでは、EDS準拠の高品質な部品データを簡単に検索・ダウンロードでき、設計効率を大幅に向上させることが可能です。
EPLAN Data Portalは登録なしでアクセスができます。普段使用している部品が載っているか、EDS準拠している部品がどのぐらいあるか、Data Portalの使用感など、ご自由にご確認していただけます。
掲載日:2025年4月24日