紙とデジタルとデータのつながり―盤図が抱える課題

紙とデジタルとデータのつながり―盤図が抱える課題

制御盤製作に必要となるさまざまな盤図。これらはどのような役割を持つのでしょうか。盤図について、そして盤図作成の課題とソリューションを解説します。

制御盤製作に関わる盤図

制御盤の製作には、さまざまな種類の図面や指示書が関わります。そのなかでも代表的なものを見てみましょう。

  • 部品表(BOM)
    品名や型式、数量、仕様、材質などについて記載された表です。これによりどのような部品が必要となるのかが明確に伝達され、部品の管理がしやすく効率的になります。
  • 配置図(レイアウト図)
    制御盤のどの位置にどの機器が配置されるかを示した設計図です。この配置図の通り、盤内に機器を取り付けていくことになります。
  • 端子図
    機器や端子台について、どの端子を使い、どの端子同士を結線するのかを簡潔にまとめて示した図です。 
  • 製作指示書(配線図)
    こちらもどの端子をどのように結線するのかを示したものですが、配線や機器類の情報を詳細に記載し、視覚的に分かりやすく示したものです。これにより配線作業を進めていくことになります。

これらの図面はまとめて盤図とも呼ばれ、制御盤製作において重要な役割を担います。

盤図の課題その1―紙で保存・運用するリスク

このように制御盤の製作にはさまざまな種類の盤図が必要となり、盤設計・制作の現場にはまだ多くの課題があるといえます。

そのひとつとして、盤図の多くが紙で保存・運用されていることが挙げられます。 CADによって電気設計が行われているにもかかわらず、盤図の多くは手作業で作成され、紙に印刷されているのが現状です。紙の使用によりコストがかかるだけでなく保管場所が必要となり、あとから過去の設計を検索する際にも時間がかかるといった管理の手間も発生します。 これらの要因が、盤図運用の効率低下につながっているのです。

また、多くの現場で今なお頻繁に行われているのが、紙に印刷した盤図に赤ペンを入れ、また設計データに戻すという方法です。デジタル、アナログ、デジタルと、無駄な入出力に時間と費用を使っているのです。 このような紙による保存・運用が、盤図に関する大きな課題のひとつといえます。

盤図の課題その2―手戻りの悪循環

盤図に関するもうひとつの大きな課題は、手戻りが多く発生している現状についてです。 電気設計は構造設計のあとに行われ、全設計工程のなかでも後半から終盤の期間に行われることが多くなります。そのため、短納期となりがちです。

短納期・手作業という要素が重なった結果、人為的ミスも起こりやすく、手戻りが多発するという悪循環に陥りやすい状況にあるのです。この原因は、部品・盤図・製作工程・運用などのデータや、情報管理システムがつながっていないことにあり、それこそが盤図運用における最大の課題といえます。

情報のつながりがないことで、過去の設計資産が埋もれ、新規設計に時間を取られてしまいます。また、本来削減できたはずのこの新規設計に、必要となる人員やコストといった経営資源の有効活用ができていないのです。これらが悪循環となり、手戻りを発生させる原因となっています。この課題に対するソリューションとして、標準化された電気設計手法とデータの一元管理が可能となるツール、電気CADが注目されています。

電気CADでは、データが一元管理されることにより、盤図同士が連動します。例えばレイアウト図の一部を修正すると、部品表や製作指示書も連携して自動的に修正されます。このようなデータのつながりが、手戻りを少なくし設計作業の効率化へとつながっていくのです。

「デジタル」と「つながり」が電気設計の課題を解決する

制御盤の製作に関わる図面や指示書、盤図について、制御盤設計が抱える課題と、その解決方法を解説しました。

従来、それぞれの盤図は独立して作成、紙で保存されていました。そのため、ひとつを修正すると全体の修正が必要になり、多くの手戻りも発生していました。電気CADがこの課題を解決し、盤図とデータ、そして経営資源をつなぐ役割を果たします。

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