IEC規格とは?JIS規格、ISO規格との違い
2024/04/02
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電気部品では欠かせないワイヤーやケーブルなどの配線の長さ・配置を決める「ハーネス設計」。そんなハーネス設計の際、いまだに現場で測長するというアナログな作業を行っている企業も多いようです。しかし、そのままでは余剰部材という「無駄」が多くなりがちなのも事実。今回は、そんなハーネス設計の効率化を進めることで削減できる無駄や得られるメリットなどを解説します。
* この記事は2018年10月9日にEPLAN Japan 公式ブログに掲載した記事を再編集、再掲載いたしました。
ハーネス設計において重要なことは、ピッタリの長さにすることです。ハーネスが短すぎて届かなければ接続できませんし、逆に長すぎて余ってしまうと邪魔になります。長すぎず短すぎない「ちょうど良い長さ」にできるのが理想的なのです。
しかしながら、ハーネスの長さをアナログ作業で測定している場合、この「ちょうど良い長さ」が正確に把握できません。ある程度の目星はつきますが、どうしてもあいまいになってしまうのです。このような場合、ほとんどは大きい値を選ぶことになるでしょう。なぜならハーネス設計では、「長さが足りなくなる」ということが致命的だからです。余るならまだ良い方ですが、届かなければ作り直しになります。そのため「少し長めに作ることが多い」といえるでしょう。
リスクを避けるためなので仕方ありませんが、適度な長さに比べて余剰分が無駄になってしまうことは事実です。また、余ったハーネスはその分場所を取ることになるため、余分なスペースを割かなければいけません。この問題を解決するには、「ちょうど良い長さ」が分かるようにする必要があります。
「ちょうど良い長さ」が分かるようにするためにはどうすればいいのかというと、実物があればいいのです。すなわち「試作品」を作成するということです。ただ、当然ながら試作品の作成には費用がかかります。従って、設計変更のたびに試作品を作ることは合理的ではありません。それではどうすればいいのでしょうか。その答えは「3D CAD」です。物理的なプロトタイプ代わりにデジタルツインを作成することで、変更があった場合でも迅速に対応と実装が可能になります。
3D CADを使用することにより、実物とほぼ同じ3Dモデルが画面上で確認できます。もちろんそこに取り付けられるハーネスの長さも、実物にかなり近いレベルで把握できます。つまり、適切な長さの設計が行えるということです。
ハーネス設計の効率化で得られるメリットは「品質向上」にもつながるといえます。3D CADでは、3Dモデルにより実際の製品に近いイメージで設計が可能です。また、仮想空間では何度でも検証が行えるので、時間の許す限り試行錯誤を重ねることができます。これらは、製品のクオリティーアップにつながるでしょう。3D CADによるハーネス設計の効率化は、大幅なコスト削減が期待できると同時に、品質向上も実現できるというわけです。
参考: