理化工業は、1937年創業の温度調節計を中心とした温度制御の専門メーカー。1000分の1℃単位の高度な温度制御技術は評価が高く、温度制御機器は日本の半導体製造装置メーカーを中心に採用されています。近年の半導体需要の高まりに合わせ、業績も急激に伸びています。
一方海外では、新たな顧客の獲得に力を入れています。
そのために、グローバルで高いシェアを持つ電気CADのEplanが運営する製品データサイトEplan Data Portalの活用をはじめています。
創業87年 温度制御機器の老舗メーカー
理化工業は創業87年の老舗の温度制御機器メーカー。企画から設計、生産、営業、サービスに至るまで一貫して行っています。また、日本でのモノ造りを追求し、茨城事業所で製造しています。
温度調節計、温度や圧力など各種センサを中心に、ネットワーク機器、電力操作器などの周辺機器を揃え、単体の製品だけでなく、顧客の要望に合わせた製品や温度制御に必要な機器を納めたユニット化にも力を入れています。
計測・制御のサービス企業として、エンジニアリング・ビフォアーサービス・アフターサービス・サポートなどで顧客に付加価値を提供し、スピード感をもって顧客対応を目指しています。
精密な温度制御技術:1000分の1℃単位の温度制御や多点温度制御
顧客は半導体製造装置メーカーなど半導体業界が主で、このほかプラスチック成形機メーカーも多く、精密な温度制御が必要な業界で存在感を発揮しています。
特に半導体業界は1000分の1℃単位の温度制御や多点温度制御など難易度の高いカスタム要求が多く、それらに応えることで高評価を得ています。
デジタル指示調節計(プロセス/温度調節計)|理化工業株式会社WEBサイト
海外市場の新規顧客獲得策のひとつとしてEplanの活用
国内の営業は直販がメインで、昔から装置メーカーと強い関係性を構築済み。
一方、海外は販売代理店によるビジネスを展開し、中国、韓国、台湾のアジア各国をはじめ、欧米諸国にも販売代理店があります。世界的な半導体需要の高まりのなか、いかにその波に乗って海外売上を増やしていくかが課題となっています。
海外市場の新規顧客獲得の解決策のひとつとして選んだのがEplanの活用でした。
「海外市場はこれから。直販の日本とは異なり、販売代理店経由でやっているので十分に新規開拓できているとは言い難い。中国はローカルの半導体製造装置メーカーが出てきていて、韓国や台湾には半導体工場の協力会社が多く存在し、新規顧客ターゲットがたくさん存在しています」
グローバルでの知名度を上げる、海外市場の新規顧客獲得のためには有効
Eplan Data Portalに製品の3Dデータ登録をはじめたのは2022年から。
装置メーカーよりEplan用のデータが欲しいというリクエストがあったのがきっかけでした。売れ筋のFZシリーズとRZシリーズを中心に1,470製品を登録しました。
自社のWEBサイトでも10年以上前からCADファイルをダウンロードできるようしていましたが、CADメーカーが運営する製品データサイトには掲載していませんでした。
そのなかでEplan Data Portalを新たに始めた理由は
「Eplanの電気CADには自動配線機能など日本の電気CADにはない機能があるのを知り、興味が沸きました。グローバルで高いシェアを持ち、世界中の設計者に使われていると聞き、グローバルでの知名度を上げる、海外市場の新規顧客獲得のためには有効だと感じました」
としています。
海外の装置メーカーに当社がEplanに対応していることをアピール
Eplan Data Portalには製品データを掲載したばかりで、本格的な活用はこれから。まずは社内にEplanとEplan Data Portalを周知して定着させ、その後、直販営業の強みを活かして理化工業を採用頂ける設計担当者に対してEplan Data Portalや3Dデータ活用法などを案内し、顧客満足度を高めていきたいとしています。
「社内の営業にもEplan Data Portalに掲載した情報を共有していきます。これからは、Eplan Data Portalに当社製品の3Dデータが掲載されていて、そこからデータをダウンロードして使えば設計業務の改善にもつながることを周知することから始めたい。」
「Eplan Data Portalで海外の装置メーカーに当社がEplanに対応していることをアピールしていこうと考えています。」
海外市場の新規顧客獲得、国内は新市場への展開を狙う
今後は活用促進に向けてEplan Data Portalに新たに28型式の製品データを追加掲載する予定。
自社WEBサイトの製品データがダウンロードできるページにEplan Data Portalのリンクを貼って相乗効果を狙っていく構え。
「工業炉業界や食品業界などはさらなる新規顧客開拓のため、提案を強化していきます。知名度向上のためEplan Data Portalには期待しています」
さらに「半導体業界以外の新市場開拓をして、Made in Japanの品質を世界に広げ顧客に満足頂けるよう取り組んでいきます」と話しています。