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株式会社マグトロニクス

自社の電気設計の効率化と企業を超えた設計製造連携を実現したEplanの活用事例

事例の種類
国内事例,
導入製品
Electric P8, Pro Panel,
業界
制御盤,

3D電気設計で制御盤の設計・製造工程の効率化。装置メーカーと電気設計と制御盤製造をつないだ、よりよい製品作りに挑む。

Eplanの活用事例を取材しました。

効果
  • シンボル間自動結線機能などを活用し、回路図を描くスピードが向上
  • 3Dデータを活用し電線の長さを事前に設計し、製造のリードタイム短縮
  • Eplanを導入している他社との設計・製造連携に取り組み、よりよい製品づくりにつなげる

もくじ

株式会社マグトロニクスでは神奈川県座間市に本社を構え、今期で47年目を迎える企業です。工作機メーカーを中心に、機械装置の制御盤やハーネスケーブルの受託製造を事業の柱としています。

Eplanを導入し自社の電気設計、制御盤製造の効率化のみならず、5年ほど前からEplanの部品ライブラリ整備サポートのため、Eplan形式の部品データ作成電気CAD設計支援も行っています。

Eplanを導入して約8年が経つ同社に、Eplanでどのような設計・製造効率化につながったのか、なぜ制御盤DXアシストというサービス提供に至ったのか、経営企画本部 商品・サービス企画担当副本部長の青木 誠氏に聞きました。

 

3D電気CADを活用して、製造のリードタイムの短縮

―Eplanを導入するきっかけはなんでしたか 

生産技術部門の業務改善を目的として、10年ほど前に電気CADの導入検討を開始しました。主要事業である制御盤の受託製造では、お客様から頂いた電気図面をもとに、制御盤の製造に必要な図面を作成するという、生産技術のような工程が別途必要になります。Eplan導入以前は、この作業において、Excelを用いて手作業で部品表を作成し、配線指示情報などを作っていました。 

並行して、業務改善の取り組みとして電線加工機も検討しており、スイスの電線加工機メーカー Komax AG社の電線加工機の導入が電気CADより先に決まりました。その際に、この加工機とEplanの設計データが連携することで、製造工程の業務改善にもつながると知りました。Eplanも含め、約10社の電気CADを検討した結果、Eplanが自社の業務に適していると判断し、電気CADのElectric P8と制御盤内3Dレイアウト設計のPro Panelの導入に踏み切りました。 

Magtronics_Komax_IMG_0759_COMPR同社が導入しているKomax加工機

参考:株式会社マグトロニクス Eplan導入事例(PDFが開きます)|2017年 

 

―3D電気CADの導入でどのような効果がありましたか

電気設計CAD Electric P8では、シンボルがすでに搭載されていて、シンボルを配置するとシンボル間を自動的に結線する機能があります。この機能で回路図を書くスピードが上がりました。また、標準機能が他と比べても充実しているので、設計者がやりたいと思ったことは基本的なコマンドで実行できるという点は大きな利点だと感じています。

マグトロニクス‗活用事例‗1 

―制御盤を製造するという視点で3D電気設計のよさはどんなところでしょうか 

3Dが存在しなかった時代は、制御盤を製造するための部品や板金を買いそろえて、それが手元にそろった時点で初めて、機器を配置できる。そしてやっと電線の長さをはかる、という工程でした。 

しかし、3D電気設計CADのPro Panelの場合、設計段階で、自動ルーティングを使用すると、電線の長さを先に決定することができます。部品を発注納品されるまでの時間で、先行してハーネスの製作に取り掛かることができるので、製造のリードタイムが圧倒的に短縮できました。 

ルーティング参考:Eplan Pro Panel 自動ルーティング

あとは機械CADもそうだと思いますが、2Dから3Dになることによって、奥行方向の干渉や機器同士の干渉も設計段階で把握できるので手戻りは少なくなってきています。2D 設計で機器を並べてきちんと配置したつもりが、実際に電気機器を買い揃えて配置してみると扉が干渉して閉まらない。そういった手戻りは圧倒的に減っています。これは3Dによるメリットだと思います。 

Komax電線加工機とEplanの連携を実現

―電線加工機と連携はどのようにしているのでしょうか 

当時はまだあまり前例がない中でKomaxとEplanを導入したので、導入当初は両社のエンジニアに協力いただきました。Eplanデータを使って自動でハーネスを加工まで実現はできました。ただ実際に業務に落とし込むまでには苦労がありました。

Komax用のデータをEplanは出すことができます、KomaxはEplanのデータを受け取ることはできます。ただ、意図した順番とは違う順番で電線が加工されてしまうという問題が生じました。これは弊社でデータにひと手間加えることで、業務活用できるように対応しました。 

参考:マグトロニクス EPLANを使用した制御盤設計から製作までのデモンストレーション

Eplanで作成した接続のデータはCSVでエクスポートできるので、他の電線加工機でも使いやすいと思います。電線加工だけでなく、例えば将来的にはそのCSVデータを、ハーネスチェッカーの検査データとして使用するなど、Eplanデータを活用することで、作るところから最後の検査まで一気通貫で実現できたらいいなと思っています。

 

EplanのトレーニングとOJTで社内展開を進める

 ―Eplanのトレーニングを受講していただいていますが、社内展開はどのようにされているのでしょうか 

トレーニング=Eplanの使い方になると思うのですが、導入当時に受講しました。導入当時は電気CADがあまり普及していなかったので、トレーニングに求めるものや正解や期待値といったものがありませんでした。しかしEplanの基本的な使い方を学ぶことができたため、当時を振り返ってもトレーニングを受講してよかったと思っています。 

オペレーターを増員する際も、先輩社員からいきなりEplanの使い方を教えるのではなく、まずEplanのトレーニングを受講してもらいます。Eplanの基本の使い方を習得したうえで、実務に沿った使い方や弊社のノウハウをOJTで覚えていく形をとっています。 

 

自社の電気設計の効率化のみならず、エンドユーザーや装置メーカーといった企業超えた製造連携の実績といった効果も

―前回のインタビューでは、Eplanを使った企業間連携のお話もありましたが現在はどうでしょうか 

現在は、Eplanライセンスを持つ機械・装置メーカーが描いた電気設計データを元に、制御盤の製造に必要なレイアウト図や3Dでの自動ルーティング、接続リストの作成などEplan設計データから展開することが可能となり、生産技術設計の精度が向上し、作業効率も改善されています。 

―装置メーカーとEplanデータを共有して設計製造するメリットはなんでしょうか 

装置メーカーとEplanデータを共有して設計や製造、いわゆるものづくりですね、それをするメリットとしては、「設計者側の意図が間違いなく伝わりやすい」という点です。

電気CADを使用しない、いわゆる絵だけの図ですと、設計担当者の意図が十分に伝わりきらず、試作機ができて立ち会った段階で、本当はここをこうしてほしかった、というのがありがちです。一方で、Eplanだと設計データとして情報がすべて盛り込まれていくので、そういったことは非常に少なくなります。  

あえてデメリットをあげるとすると、3Dなのでデータサイズが大きくなるので、データの受け渡しに少し苦労するところはあります。お客様と弊社、だけでなく、弊社の神奈川で設計したデータを関西工場で使おうとすると、ちょっと、もたつくような感じがします。

―設計・製造連携をする中で起こる課題はどんなものがありますか 

Eplanで回路図を書くときには、機器同士の接続、回路図で言うところのシンボル間の接続情報が必要になります。この電線に情報を持たせるという発想は、装置メーカーが大変に思うことかもしれません。ほかのCADで作図をしているときは、そこはサプライヤー側でやっていたことなので。

Eplanデータを使って協業する場合は、装置メーカー側でその情報を入れるのか、弊社側でそれを入れるのか、案件ごとにきちんと定義をするということが必要です。また、ほかのCADでは渡り配線の書き方は厳格ではなく、サプライヤー側に任されていることが多いと思うのですが、Eplanでは渡り配線も考えて回路図を描く必要があり、初めてEplanを使う人は少しイメージしにくいところかもしれません。 

1つの製品の電気設計からものづくりまで、よりよい設計データでよりよい製品づくり

―今後はどのようにEplanを活かしていきたいですか 

弊社のみならず他社も同じかと思うのですが、全体的に電気設計にかけるリソースに困っているという問題は現実に発生していると思います。装置メーカーだけでなんとかできるような状況ではないのかなと。これは我々サプライヤー側でも同じです。そのため、1つの製品の電気設計からものづくりまで、一緒にやっていくということが必要になってくると思います。

 ここ数年言われているDXに関して、電気設計や制御盤製作に関しては電気CADの導入が大きな1歩になると感じています。弊社はEplanを導入していち早くそれに取り組んできました。自社の電気設計の効率化、エンドユーザーや装置メーカーといった企業超えた製造連携の実績といった効果も実際に出ています

この経験を生かし、電気CADを導入検討している企業に、電気設計を導入してどのように何を実現できるのかといったことをお話させていただいて、電気CADユーザーを増やし、よりよい設計データでよりよい製品づくりができる環境を作っていきたいと考えています。

さらに、弊社では制御盤DXアシストというサービスを提供しています。これは電気CADを使うことだけではなく、実際に製造業の方々が自分たちの製品を効率よく精度よく作るために、製造側の目線で電気設計CADをどのように業務に適応させるかといったことをアドバイスさせていただきながら、業務に則した電気CADの使い方を一緒に構築するお手伝いをさせていただいています。

マグトロニクス‗制御盤DXアシスト株式会社マグトロニクス 制御盤DXアシスト Webサイトより

日本の製造業の現場では物を作る側のプライドや職人技があります。今までのやり方は決して間違えてはいませんが、もっと楽に、同じようにいいものが作れる、といったことを理解してもらう必要があります。Eplanで設計する側の方はそれを理解するのが早いのですが、例えばEplanで描いたら今までの図面と変わることに対して製造現場側は嫌悪感を持ちやすい。弊社も制御盤を作るメーカーとして、それが分かります。だからこそ、設計者だけでなく製造現場にもお話をお聞きし、今までのEplanを実務で使用した経験をいかしたご提案などをしていきたいと考えています。 

 

株式会社マグトロニクスについて

株式会社マグトロニクスは神奈川県座間市に本社を構え、今期で47年目を行う企業です。工作機メーカーを中心に、機械装置の制御盤やハーネスケーブルの受託製造を事業の柱としています。国内5拠点で制御盤やハーネスケーブルの製造、海外1拠点(マグトロニクス・ タイランド)。従業員は現在約450名。Eplanを導入し自社の電気設計、制御盤製造の効率化のみならず、5年ほど前から自社以外のEplanユーザー企業に対して、部品ライブラリ構築支援や、既存図面のEplanトレース業務など、幅広く電気CAD設計支援を行っています。

インタビュイー紹介

Magtronics_user_report_2025_2青木 誠
株式会社マグトロニクス 経営企画副本部長 商品・サービス企画担当

約20年にわたり制御盤製造に関するCAD関連業務に従事する電気CAD黎明期を知るエキスパート。豊富な経験を活かし、制御盤製造メーカーならではの、ユーザー目線でのCAD導入支援や教育、コンサルティングを行う。そのほか営業・資材調達・検査など豊富な経験は多岐にわたる。

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