電気・機械自動化システムの統合を専門とするElmleigh Electrical Systems Limited(イギリス)は、それまで時間のかかる手作業工程を必要とする従来のCADパッケージを使用していましたが、意欲的な成長戦略の計画達成のため、より適したCAEソフトウェアツールを探し導入する決断をしました。
課題解決のために、より適したCADパッケージを
導入していた従来のCADツールでは電気回路図と2Dレイアウトを手作業で行っていたので、時間と労力がかかるものでした。同社は電気エンジニアチーム内のスキルと専門知識を最大限に活用して回路図の作成時間の短縮による効率化を図るべく、新しく革新的なソリューションにより、チームメンバーの仕事への満足度を高めたいと考えていました。
また、ビジネス開発と将来の成長をサポートするために、生産性と効率レベルだけでなく、内部プロセスを改善する機会も探していました。
- 設計時間の短縮
- 価値の高いエンジニアリングスキルを最適化
- 高品質な電気回路設計
- 将来に向けた事業開発
これらの課題解決として、2018年にElmleigh社は、EPLANを効率的で高品質な回路図および制御盤設計をサポートするツールとして、複数のEPLANソリューションを導入しました。
Elmleighのゼネラルマネージャーであるクリス・サウスウェル氏は、「今ではEPLANを同社のビジネス成長と将来の発展の中心的存在と考えています。EPLANはElmleighの設計チームの能力と技術を押し上げ続けると確信しています」と話しています。
EPLANソリューションの活用
- EPLAN Pro Panel
- 3D環境で設計し、制御盤製造の基礎となるデジタルツインを作成できます。
- EPLAN Data Portal
- 350社以上のグローバルメーカーの製品カタログから、100万点以上の部品情報をEPLANプロジェクトに直接インポートできます。
- EPLAN eVIEW
- クラウド上で関係する部署やメンバー(社内外)とのプロジェクトデータの共有とコミュニケーションを容易にします。
- EPLANサービスとサポート
- EPLANソフトウェアの導入と設定およびさまざまなトレーニングコースを用意。オンラインでも対面でも対応できます。ソフトウェアユーザー向けのグローバルサポートデスクがあり、最新のソフトウェアバージョンを含む年次更新へのアクセスも可能です。
- Phoenix Contact Clip Project Complete Export
- EPLAN Pro Panelに統合可能なPhoenix Contact Project Completeソフトウェアにより、EPLANからPhoenix Contactラベルプリンターへ直接データをエクスポートできます。
- Rittal Therm
- 姉妹会社リタールが提供している、オンラインまたはEPLAN Pro Panelとのインターフェースを通じて使用できる、制御盤の温度制御のための計算プログラムです。
EPLANソリューションに移行した後、Elmleighの設計者は以前のCADソフトウェアと比較して、わずかな時間で電気回路図を作成できるようになりました。また、EPLAN Pro Panelを使うことで、詳細な3D制御盤内のレイアウトを作成できるようになりました。これは組み立て工程にも大きな利益をもたらしています。
EPLANソフトウェアは、制御盤製造の自動化と工業化のために、初期システム設計やプロジェクト計画から制御盤、ケーブルハーネス、流体動力システムの設計まで、あらゆる設計・製造分野をつなぐ統合ソリューションを提供します。EPLANは手動での作成から標準化されたテンプレートベースのアプローチまで、さまざまなエンジニアリング手法をサポートしています。使用したプロジェクトデータは、自動化のための基盤となります。
EPLAN Pro Panelに搭載された干渉チェック機能により、組立前に部品の位置を確認できます。EPLANに統合されたRittal Thermを使用して設計者は最適な熱制御を実現するために適切な冷却装置を選択し、サイズや性能に関する必要なすべての計算をシステムから自動的に引き出します。
設計作業が完了すると、デジタルツインが作成され、360度、チーム間で楽に共有することができます。プロジェクトは、EPLANからNCデータなど様々なファイル形式にエクスポートでき、パネルカットや配線など、製造機械とのダイレクトインターフェースを通じてデータをエクスポートすることもできます。
電気設計エンジニアリングをシンプルに
EPLANツールとクラウドベースのプラットフォームは、現在、Elmleighの電気設計チームの全メンバーが、制御盤の設計とケーブルスケジュールの作成に使用しています。後者は、以前は表計算ソフトを使って手動で作成していました。しかし現在では、EPLANがケーブルスケジュールのデータを自動的に生成し、データをエクスポートしています。
設計者のアレックス・アンダーソン氏は、「設計作業と現場の両方において全体的な時間短縮ができています」と話しています。
さらに、EPLANのツールは、設計アウトプットの品質という点でも期待通りの改善をもたらしてくれました。これにより、問題があれば設計段階で簡単に特定することができます。
EPLAN eVIEWは、設計者がプロジェクトをクラウドにアップロード、保存、共有できるだけでなく、ビジネスにおける紙の使用量を削減することにも役立っています。プロジェクトの修正や調整を伝えるためのElmleighの指定プラットフォームになっています。
EPLANのプラットフォームには、ARを使ったものもあります。eVIEW ARアプリで、Elmleighのエンジニアは制御盤の位置関係を明確にし、完成した制御盤が現場でどのように見えるかをより詳細に検討することができます。
特にこのコロナ禍での作業方法は、EPLANのeMANAGEによってサポートされています。このツールは設計をeVIEWに公開するもので、Elmleighのエンジニアがチーム間やチーム内の遠隔コラボレーションをサポートするのに非常に役立っています。
端子台やケーブルのラベル付けなどの作業はフエニックス・コンタクト社のProject Completeでシームレスに管理できるようになりました。このソフトウェアはEPLANと連動しています。
同社は現在、盤内配線作業の改善のため、EPLAN Smart Wiringの導入を検討しています。
トレーニングの必要性
Elmleigh社の設計者であるアレックス・アンダーソン氏は、数年前に入社したときからすでにEPLANを使いこなしていました。「私の仕事は、図面を描くことではなく、設計者であることです」。
同氏は、EPLANを使いこなせるようになるためのトレーニングの重要性も認識しており、「特に従来のCADシステムから乗り換える人には、トレーニングが必要です」とアドバイスしています。
今後の事業拡大を支えるEPLAN
EPLANソリューションは、Elmleigh社の業務に不可欠なものであり、制御盤製造におけるビジネスの成長を加速させる計画の一部であるということです。
EPLAN UKのカントリーディレクターであるケン・クリスティーは、「効率的なエンジニアリングが我々の焦点です。我々は、コスト効率の良い設計を実現するソフトウェアソリューションを提供することに全力を注ぐ一方で、お客様が抱える問題の解決を支援することでお客様の要望を満たすためにここにいます。Elmleigh社との協力により、適切なCAEソフトウェアツールは設計プロセスを大幅にスピードアップするだけでなく、販売や生産といったアップストリームとダウンストリームの両方のプロセスにポジティブな影響を与えることができることがわかりました」とコメントしています。
Elmleigh Electrical Systems Limited
Elmleigh Electrical Systems Limited社は、電気および機械的なオートメーションシステムの統合を専門とする企業です。同社は構想から設計、製造、組立、試験、据付、認証までの一貫したプロジェクト管理サービスを提供し、トータルシステムソリューションを提供しています。同社が製造する制御盤は、食品・飲料、マテリアルハンドリング、上下水道管理など、さまざまな分野で使用されています。