ハーネス設計で手作業工数が膨大に
中国の鉄道システムは飛躍的に発展しており、それに伴い中国の鉄道産業も発展しています。この発展を牽引してきたCSR Zhuzhou Instituteは、ワイヤーハーネスエンジニアリングのためにEPLAN Harness proDを採用しています。
CSR Zhuzhou Electric Locomotive Research Institute Co., Ltd.(略称:CSR Zhuzhou Institute)は、ミシガン(米国)、リンカーン(英国)、シドニー(オーストラリア)に開発施設を持つグローバル企業です。現在、同研究所の活動分野は、電気モーター、パワーエレクトロニクス、オートメーション、高分子複合材料、再生可能エネルギーなど多岐にわたっています。
同社の設計者は、既存のソリューションでは鉄道車両の配線レイアウトに対応するのは困難だと気付きました。鉄道車両に使用されている機械部品は非常に複雑で、これらの部品を配線するのも難しい作業です。
同社の設計者は、3Dアプリケーションを使用して、電気部品間の配線をシミュレーションし、必要な製造用ドキュメントを作成していましたが、ワイヤーハーネス設計にも適用することは困難でした。このプロセスに一貫性と統合性が欠けていたのです。例えば、接続リストは手動で調整しなければならず、大規模な変更があった場合、その対応が課題となっていました。
「接続リストに追加するケーブルの数が増えれば増えるほど、製品の3Dモデルは混乱していきました」と生産プロセスエンジニアの丁祖輝氏は言います。
製造図面は手作業で作成し、必要な材料データはシステムに手入力し、次にPLMシステムに入力していました。「ワイヤーハーネスの設計と機械の構造を統合し、ワイヤーハーネスのデータを機械のデータで表示できるようにする必要がありました。以前のシステムではそれができませんでした。」
干渉や長さの制限などデジタルプロトタイプで検証
2013年にCSR Zhuzhou InstituteからEPLANとの取引が始まりました。既存CADとの統合は、使用しているMCADシステムから機械構造データをEPLAN Harness proDにインポートすることで可能となりました。
ワイヤーハーネスの技術者は、曲げ半径、束の直径(アメリカのワイヤーゲージを含む)、機械的な取り付けブラケット内でのワイヤーハーネスの干渉や長さの制限など、さまざまな検証手順を用いてワイヤーハーネスを検証できるようになりました。ケーブル束のデータは、ほぼすべてのMCADシステムとの間で、双方向に転送することができます。
ワイヤー、コネクター、プラグのデータは、次の工程で利用できるようにすることができます。さらに、EPLAN Electric P8のワイヤー、コネクター、プラグを含む配線リストは、EPLAN Harness proDで直接使用することができ、データ交換は双方向に行われます。
EPLAN Harness proDは、Microsoft ExcelやTXTまたはCSV形式のリストなど、他のソースからの配線リストも扱うことができます。丁氏によると、最大のメリットは開発プロセスの並列化だといいます。
EPLAN Harness proDでは、機械構造のデジタルプロトタイプの段階でワイヤーハーネスの作成を開始することができます。実際にプロトタイプを作成してから初めて気付く多くのエラーは、製品開発プロセスの中で解消されます。これにより、プロジェクトに必要な時間が短縮されます。中国で3Dワイヤーハーネス設計が行われるようになって、まだ数年しか経っていません。EPLAN Harness proDは、このタスクに対して非常に効率的で、すぐに利用できるソリューションです。